フランスの地方料理【まとめ】

 フランスの地方料理

フランスは現在、広域地方行政区分では本国が22地方96県に、海外が5つの県に分けられています。その地方地方で独特の文化が育ち、食文化が形成されフランスを代表する料理がいくつも生まれています。現在では洗練され、調理法やレシピは変わって来ていますので現在のレシピとは変わって来ているのでご了承ください。

目次

イル=ド=フランス地方とは?

フランスの首都パリを中心としたその周辺の地方フランスの全27地方の中でもっとも人口がもっとも多いです。イル=ド=フランスは「フランスの島」という意味で、セーヌ、マルヌ、オワーズなどの川に囲まれている地形を島に例えて名付けられました。

パリは国内、国外に問わず様々な最良な食材が集まる恵まれた都市です。これは17世紀に中央集権国家の中心となったこの地に王侯貴族たちが国中から物産を決めたことに始まります。現在フランス料理の定番となっている多くのソースなどがこの地方で生まれました。

高級料理ばかりではなく、オニオングランたんスープ、牛肉のミロトンなど場合によって残り物を利用したものなど気取らない簡単で美味しい料理の伝統もあります。特に昔から野菜類の美味しさには定評があり、持ち味を生かしてポタージュや付け合わせなどにする。

アスパラガス、グリンピース、インゲン豆などが各地で特産があり、最近では新たにクレソンやラディッシュパセリ、サラダなども栽培に力を入れています。野菜生産家も有名になり作っている人で野菜を選ぶ料理人も増えてきました。

チーズはモーとムランのブリーチーズが有名です。また、オレンジとコニャックをベースにしたリキュールおグラン・マルニエはお菓子の風味づけなどにも利用されます。

料理名にパリ風とつく料理は、付け合わせにじゃがいもとサラダ菜の蒸し煮、またはアーティチョークの芯などを添えることが多いです。ベルシー風とつくとワインとエシャロットをベースにした料理が多いです。

イル=ド=フランスの代表料理

オニオングラタンスープ gratinée 玉ねぎの薄い切りをバターでしんなり炒め、小麦粉をふり水で煮る。パンの薄切りを加えチーズをふりかけてオーブンでグラチネしたもの
クレシー風ポタージュ potage crécy 人参を玉ねぎと共にバターで炒め、鶏のブイヨンまたは水を加えて煮たもの
パリ風ポタージュ potage parisien ポワローの薄切りをバターでしんなり炒め、小さく切ったじゃがいもを水またはブイヨンで煮て濾したもの
サン=ジェルマン風ポタージュ potage saint-germain 塩豚バラ肉の棒切りをバターで炒め、グリンピースと水または鶏のブイヨンで煮て濾したもの
牛肉のミロトン boef miroton 牛塊肉をゆでる。玉ねぎの薄切りをバターで炒め小麦粉をふり牛肉の煮汁、ワイン酢を加えて煮たもの
豚のコートシャルキュティエール風 cote de porc charcutiére 玉ねぎのみじん切りをバターで炒め小麦粉をふり、白ワイン酢、白ワイン、ブイヨンを加えて煮詰め、ディジョンマスタードとコルニションの薄切りを加えたもの
仔牛のレバーベルシー風 foie de veau bercy レバーの薄切りを牛乳につけ、小麦粉をつけバターでで焼きます。ベルシーバターを添えたもの
パリ=ブレスト paris-brest プラリネ風味のクリームを挟んだリング状のシュー
ピュイ・ダムール puits-d’amor パート・フイユテで作った小さいパイケースにアプリコットやフランボワーズなどこのみのジャムかクリームを詰めたもの
サン=トノレ saint-honoré 円形のパート・ブリゼまたはフイユテの周囲にパータ・シューをリング状に絞り出して焼き、別に焼いた小さいシューをカラメルをつけて周囲に接着し、中央にサン=トノレ用クリームを詰めたもの

アルザス地方とは?

  フランス北東部にあり、北にはドイツ、南にはスイスと隣接するのがアルザス地方です。東にライン川、西はヴォージュ山脈に挟まれた南北に永井地方です。この山脈により西風が遮られるので、比較的乾燥していて暖かいですが、大陸性気候で平野部の冬はとても寒くなります。中心都市はストラスブールになります。

地理的にも、歴史的にもドイツの影響を受けていて、食べるものではシュークルート、プレッツェル、シュペッツレ、クグロフなどはドイツの影響があるものです。特に豚肉の加工品が多くドイツ同様にビールをよく飲む地域でもあります。

主要作物はとうもろこし、ぶどう、ホップ、シュークルート用キャベツなどがあります。家禽や液状の生クリーム、はちみつ、クエッチ、アルザスますたーどなどの産物は高く評価されています。そのほかシュークルートのベースとなる、キャベツを酢漬けにして発酵させたもの、ガチョウのフォアグラのパテなどがあります。

チーズではマンステールチーズ、酒類ではキルシュなどのフルーツを使ったブランデーが世界的に有名です。ビールは国内生産の半分以上を醸造し、一般的な淡色ビールのほか、アルザス地方特有のシュトゼンベルジェ、メテオールなどの地ビールもあります。

料理名にアルザス風となっている場合、シュークルート、塩漬け豚バラ肉、ストラスブールソーセージなどの豚の加工品などを添えることが多いです。

アルザス地方の代表的な料理

玉ねぎのタルト tarte à l’oignon 玉ねぎの薄切りをバターで炒めて小麦粉をふり、ナツメグを加えて煮て、卵黄でつなぎます。これをパートブリゼに詰めオーブンで焼いたもの
タルト・フランベ tarte flambée パン生地をごく薄く伸ばし、フレッシュチーズと生クリームナツメグを混ぜたものを塗り、玉ねぎとベーコンを散らしてオーブンで焼いたもの
鯉の揚げ物 carpe frite 鯉を筒切りにし、小麦粉、卵、セモリナ粉の衣をつけて揚げる
マスのオ・ブルー truite au bleu 生きているマスを調理する直前に気絶させ、内臓をツボ抜きし、表面の粘液をぬぐわずに煮立てた酢をかけふっとしているクールブイヨンで茹でる
ベッコフ baeckeoff 豚と牛、羊の肩肉、豚のテールや足を大きく切り、白ワインと香味材料に一晩漬ける。鍋にじゃがいもと玉ねぎを敷き、肉類を載せて同じ野菜でおおい、つけ汁を加え、オーブンで蒸し煮したもの
アルザス風シュークルート choucroute à l’alsacienne 玉ねぎの薄切りを鵞鳥油かラードで炒め、豚の燻製肩肉、塩漬けのキャベツ、ベーコン、ソーセージ、リースリングを入れ蒸し煮したもの
雄鶏のリースリング風味 coq au rieslig 鶏を切り分けてラードで焼いて取り出し、香味野菜を炒める。鶏を戻して小麦粉をふり、鶏のブイヨン、リースリングを加えて煮たもの
クーゲルホプフ kougelhopf 小麦粉、卵、バター、砂糖を混ぜ、中種を加えて生地を作り、発酵させたあと、レーズンを加える。これをアーモンドを貼り付けたクグロフ型に入れてオーブンで焼いたもの

ブルゴーニュ地方とは?

ブルゴーニュは中心都市はディジョンでフランスの中東部の地方です。西はパリ盆地の南東緑となる丘陵が連なり、東にはソーヌ川流域平野が南北にのび、その間に高原や台地が広がっています。

ブルゴーニュという名前は5世紀にこの地に王国を築いたゲルマン系のブルグント族に由来しています。この地方は古来交通・通商のかなめの街であり、特に14、15世紀に栄華を極めたブルゴーニュ公国の時代からフランスの食文化の中で確固たる地位を固めて来ました。

その背景には、ブルゴーニュ地方ならではの恵まれた自然条件で得られる食材の豊富さにあります。その代表格がシャロレーズ種のシャロルの牛です。そのほかにもシャロレ地方の若鳥、ほろほろ鶏、七面鳥などの野禽類、エスカルゴ、灰色トリュフ、ブルゴーニュマスタード、カシスなどどれもフランス料理には欠かせない食材ばかりです。

チーズはエポワスと山羊乳のマコネ、シャロレなどが有名です。また、ディジョンのパン・デピスはフランス革命以降、シャンパーニュ地方のランスのものにとって代わって有名になりました。

また、ブルゴーニュといえば当然ワインが有名です。世界的な質の高さを誇り、飲むだけでなく料理にも使われます。ブルゴーニュ地方のワインは特に料理において重要な役割を果たしています。

ブルゴーニュ風という料理名を見たり、聞いたりしたことがあるかもしれません。このブルゴーニュ風というのは赤ワインを使い、小玉ねぎとシャンピニオン、豚バラ肉の棒切りを合わせることが多いです。

ブルゴーニュ地方の代表料理

エスカルゴのブルゴーニュ風 escargots à la bourguignonne エスカルゴの殻に身とエスカルゴバターを詰めて焼く
グジェール gougères チーズ風味の小型シュー
ジャンボン・ペルシエ jambon persillé 塩抜きした生ハムを仔牛のスネ肉、香味野菜とともに白ワインで煮て、パセリのミジン切り、煮汁とともに容器に入れて固める
卵のムーレット仕立て oeufs en meurette 赤ワインでポーチドエッグ作って、ニンニク風味のパンのクルトンに乗せ、ムーレットソースをかける
ブルゴーニュ風ぽて potée bourguignonne 薄塩漬け豚肉とキャベツ、人参、じゃがいも、カブ、などを水から煮込む
ポシューズ pochouse 川魚やウナギなどの白ワイン煮
牛肉のブルゴーニュ風 boeuf bourgignon 赤ワインにつけこんだ牛肉を小麦とつけ汁を加えて煮込む
雄鶏の赤ワイン煮込み coq au vin 小玉ねぎ、シャンピニオン、塩漬け豚バラ肉を赤ワインで煮込んだもの
うさぎのディジョン風 lapin à la dijonnaise 丸ごとのうさぎの腹のなかと表面にディジョンマスタードを塗り、オーブンで焼いたもの
リゴドン rigodon ほぐしたブリオッシュ、牛乳、卵、砂糖、くるみ、ヘーゼルナッツ、を合わせてシナモンで風味をつけ、型にいれオーブンで焼いたもの
フラムース flamousse 型にりんごの薄切りを並べ、小麦粉と卵、砂糖、牛乳などを混ぜたものを注ぎ、オーブンで焼いたもの。

ブルターニュ地方とは?

北は英仏海峡、南は大西洋に面した半島で、フランスの最西端にあるのがブルターニュ地方です。ロレンヌが中心都市です。5世紀の末ごろ、現在のイギリスにアングロ・サクソン人が侵入したためそこを追われたケルト人が海を渡って移り住んだ地域で、今日もなおその独自の文化が根強く残っています。

沿岸部は海の幸が豊富で、さば、ビンナガ、スズキ、イワシ、ホタテ、牡蠣、ムール貝、オマールエビなどの魚介類の水揚げ量は国内の約1/3を占めています。大西洋に面したブロンという地域の平牡蠣は身が丸くて薄い褐色がかった灰色で、磯の香りが残っていていとても評価が高いです。3つ星レストランなどは主にこのブロンの牡蠣を使っています。北部のカンカルやパンポルでも牡蠣の養殖は盛んに行われています。

また、海の影響でこの地域は比較的温暖な気候に恵まれています。その温暖な気候を生かして、じゃがいも、カリフラワー、ブロッコリー、アーティチョーク、カブ、根セロリ、パセリ、インゲン、ほうれん草、エシャロット、グリーンピースなど質の良い野菜の栽培も盛んで、「黄金地帯」と言われるほどです。

内陸部には養豚農家や近代的な加工場が集中し、豚肉の生産量は国内の5割を超えています。フランスでの豚肉の消費量のうち3/4が加工品となります。アンドゥイユ、田舎風パテ、ブーダンノワールなど種類が豊富です。

また若鶏は国内の3/4、乳牛では約1/3を生産していて、中でもジャンぜの野禽はとりわけ評価が高いです。

ほかにもロスコフの玉ねぎや、パンポルのココ豆などこの地方を代表する農産物は多いのです。乳製品では、無縁バターが一般的なフランスにおいて唯一有塩バターの消費量が大半を占めています。

かつてはソバくらいしか育たなかった痩せた土地でしたが、そのそば粉を使った料理が今では欠かせな存在になっています。その代表がガレットと呼ばれる薄焼きのクレープです。これには有塩バターを載せるだけのシンプルな食べ方から、卵やベーコン、アスパラなどをのせて一品料理になったり、砂糖やはちみつをかけてデザートになったりとバリエーションが豊富です。

酒類ではりんごから作った微発泡のアルコールのシードル酒が有名です。料理名にブルターニュ風とつく料理は白いんげん豆を付け合わせに使うことが多いです。

ブルターニュ地方の代表的な料理

そば粉のガレット galette de sarrasin そば粉、卵、水、塩などを合わせた生地を薄い円形に焼き、バターなどを塗って4つ折りにする
ブルターニュ風ポテ potée bretonne 豚の肩肉とバラ肉、ソーセージ、玉ねぎ、人参、ポワロー、カブ、キャベツ、じゃがいもなどを水で煮込んだもの
ゴダイユ godaille 丸ごとの小魚などをじゃがいも、玉ねぎなどと水で煮たもの。酢やカレー粉で味付けをする場合もある
オマールのアルモリカ風 homard à l’armoricaine 玉ねぎとエシャロットをバターで炒めて、オマールの筒切りを加えてコニャックでフランベする。オマールのコライユやミソ、バターなどを加えてソースにする
ホタテ貝のブルターニュ風 coquille saint-jacques à lq bretonne エシャロットと玉ねぎをバターで炒めた所に、ホタテ貝柱、ミュスカデなどを加えて煮て、パン粉、バター、パセリを振りオーブンで焼き色をつけるたもの
コトリヤード cotriade アナゴ、鯛、イワシなどの魚とじゃがいも、玉ねぎなどを水で煮ます。ハーブ入りヴィネグレットを添えます
プレサレの仔羊もも肉ブルターニュ風 gigot d’agneau de pre-salé à la bretonne 仔羊のもも肉をローストし、白いんげん豆を添える。肉の焼き汁を水か豆の煮汁ででグラッセしたものをソースにする
キッカ・ファルス kigha fars ファルス(そば粉、牛乳、卵、ラードなどを混ぜたもの)を布で包み、ポトフのように煮込んだ牛スネ肉とバラ肉、野菜の中で煮たもの
ファール・ブルトン far breton 小麦粉、卵、牛乳、砂糖、塩を混ぜた生地を容器に入れ、オーブンで焼いたもの
クイニーアマン kouign-amann 小麦粉とイーストを混ぜた生地を広げて薄塩バターと砂糖を折り込み、型に詰め、砂糖をふって焼いたもの

 

オーベルニュ地方とは?

 国土のほぼ中央を占める中央山塊のそのまた中央に位置するのがオーベルニュ地方です。中心都市はミシュランの本社もあるクレルモン=フェランです。地方名は紀元前にこの地方に住んでいたケルト人の一派アルウェルニ族に由来します。気候は大陸性と海洋性双方の影響を受け、標高の高い山地を除いて冬もそれほど寒さは厳しくないです。

 クレルモン=フェランのリマーニュ盆地以外は、あまり高くないドーム型の火山群や高原状の山地が多く、そのなだらかさを生かした牧畜に利用されています。良質の肉類や豚肉加工品、そしてチーズが生産されています。中でもブルボネ地方のシャロレ牛や仔羊、オーブラックの未経産雌牛、オーベルニュ地方の家禽やブレ地方の家禽などはとても評価が高く人気です。

 ピュイの緑レンズ豆は特に有名です。チーズではカンタル、サン=ネクテール、ブルー・ドーヴェルニュ、フルム・ダンベール、サレールなどが有名です。また、ミネラルウォーターのヴォルヴィックの源泉があることでも知られています。

オーベルニュ地方の代表料理

トリュファード

truffade

じゃがいもをラードで炒め、フレッシュのカンタルチーズを加えて溶かして厚めの円形に焼いたもの

オーヴェルニュ風ポテ

potée auvergnate

うす塩の豚肉、ソーセージ、キャベツ、人参、カブ、ポワロー、玉ねぎ、ニンニクなどを水で煮たもの

クジナ

cousinat

栗の実をセロリ、ポワローなどと一緒に鶏のブイヨンで煮て野菜と栗を裏ごし、生クリームと卵黄などで濃度をつけたもの

仔羊のもも肉のブレイヨード風

gigot brayaude

もも肉にニンニクを刺し、じゃがいも、玉ねぎ、などの薄切りとともにブイヨンや白ワインじっくり蒸し煮にする。キャベツの蒸し煮や、赤インゲン豆やレンズ豆を添えたもの

プンティ

pounti

背脂などと玉ねぎ、ふだん草を刻み、小麦粉、卵、牛乳と混ぜ、干しプラムかレーズンを加えて器に入れて焼いたもの

アリゴ

aligot

じゃがいものピューレにバター、生クリームと好みでニンニクを入れ、温めながらフレッシュのライオルかカンタルチーズを加え、持ち上げた時に糸を引くようになるまでまぜたもの

キャベツのファルシ

chou fari

キャベツを茹で、大きな葉と炒めた肉類を交互に重ねて元の形に戻し、布などで包んで茹でたもの

ノルマンディー地方とは?

英仏海峡に臨北西部の地方がノルマンディー地方です。行政的には東半分のオートーノルマンディーと西半分のバスーノルマンディーに分けられます。緯度は高めで海洋性気候の影響で温暖湿潤で、牧草地やりんごの果樹園、農地が広がる内陸部では料理に使用する食材も料理の特徴も大きく違います。

沿岸部では舌平目、たら、ニシン、鯖、小型オマール、牡蠣、ムール貝、ホタテ、小エビなど新鮮な魚介類が豊富に獲れます。これらはスープにするときも地元の濃厚な酸味のある生クリームを使うことが多いです。

内陸部では、フランスきっての酪農地帯で、主に乳も肉にもなる兼用の牛であるノルマンド種を飼育しています。ノルマンド種の牛乳は非常に良質で、この牛乳を使った乳製品は優れたものが多いです。例えばイジニー産のバターや生クリームのほか、カマンベール、リヴァロ、ヌシャテル、ポン・レヴェックなどフランスを代表するチーズが作られています。

さらにモンサン・ミッシェルのプレ・サレと呼ばれる仔羊は年に5〜7会大潮に洗われる牧草を食べることで、肉に独特の旨味があります。豚や家禽の飼育にも力を入れていて、その中でもルーアンの鴨は有名です。ルーアンの鴨は窒息させて屠殺するので体内に血が留まり、肉が赤みを帯びて独特の風味が出るので人気が高いです。この特徴を生かして血をソースに利用する鴨料理は19世紀頃にルーアン風としてパリのレストランから広まったと言われています。

ノルマンディー地方の気候ではぶどうが育ちません。そのためりんごや洋ナシなどの果物が栽培されていいます。りんごの果汁を発酵させたシードル酒やこれを蒸留したカルヴァドスなどが有名です。りんごとシードル酒、カルヴァドスはノルマンディー地方の3大食材で多くの郷土料理やお菓子などに使われています。

ノルマンディー風とつく料理にはバター、生クリーム、りんご、シードル、カルヴァドスを使っていることが多いです。

ノルマンディーの代表料理

メール・プラールのオムレツ omelette de la mère poulard 卵に塩、胡椒して掻き立て、バターを溶かしたフライパンでオムレツを作ったもの
ディエップ風マルミット marmitte dieppoise 舌平目、ヒラメ、アンコウ、ホタテ、ラングスティーヌなどをクールブイヨンで煮て、生クリームを加えてスープにしたもの
舌平目のノルマンディー風 filet de sole à la normande 舌平目のアラでフュメをとって、ムール貝、小エビ火を入れます。その煮汁に卵黄、シャンピニオン、バター、生クリーム、レモン汁でソースを仕上げたもの
カーン風トリップ tripes à la mode caen 鍋に豚の皮を敷き、牛の胃、牛と仔牛の足の肉と骨、香味材料を交互に重ね入れ、シードル酒、カルヴァドスを加えオーブンで焼いたもの
鴨ルーアン風 canard à la rouennaise ルーアンの鴨をローストして切り分け、骨を砕いて血をレバーに加えてソースにする。もも肉と手羽はパン粉をふってフライパンで焼く
りんごのブルドロ bourdelot aux pommes パートブリゼで丸ごとりんごや洋ナシを包み、オーブンで焼いたもの

 

ポワトゥー=シャラント地方とは?

 フランスの西部、大西洋沿岸の中ほどに位置するのがポワトゥー=シャラント地方です。中心都市はポワティエです。冬は温暖で、夏は涼しい西岸海洋性気候に恵まれ、各地に料理のベースとなる質の良い食材があり、あまり手を加えなくても美味しく、気取りのない料理が特徴です。

 海の幸ではまず、マレンヌ・オレロンの養殖平牡蠣とムール貝、あさりなどの養殖も発達し、ポワトゥー=シャラント地方はヨーロッパ特有の貝類養殖地となっています。ジロンド川河口、ロワイヤン周辺で夏に取れるイワシは缶詰にせず、生のまま市場に出回るのが特徴です。エスカルゴは地域によってカグイユやリュマとも呼ばれ、小型で養殖に向いています。

 この地方の仔羊やセーブル渓谷の家禽も評価が高いです。湿地帯で取れるソラマメやモジェットと呼ばれる小粒の白インゲン豆を使った料理など、隣接する北や南の地方との共通する部分も多く見られます。

 レ島で取れる新じゃがいもなどは特に有名です。キャベツをたっぷりのバターであえたアンブレという料理はシャラントで取れる高品質なバターがあったから生まれた料理といっても過言ではないでしょう。

 かつては国内飼育数1位にもなったことがあるほど、この地方は昔からヤギの飼育が盛んです。主に、シェーブルチーズに利用され、復活祭の頃には仔山羊を食べる伝統も今だに残っています。また、シェーブルのフレッシュチーズを使った黒さと独特の形をした菓子トゥルトゥーは有名です。

ポワトゥー=シャラント地方の代表料理

エクラード

éclade

板の上にムール貝を立てて放射状に並べ、松葉を被せてそれを燃やして貝に火を入れ、バターを塗ったパンなどにのせて食べる野外料理

ムクラード

mouclard

ムール貝を、エシャロット、白ワイン、バターとともに、煮て火を通し、片方の殻を外してさらに並べます。煮汁は濾して煮詰め、生クリーム、卵黄、カレー粉を加えて貝にかけオーブンでさっとあたためたもの

シャラント風カグイユ

caguille à la charentaise

エスカルゴをブイヨンでゆで、小玉ねぎ、エシャロットをバターで炒め、ニンニク、ハム、トマト茹で汁を加えて煮込み、エスカルゴ、パン粉、イタリアンパセリを加えたもの

仔山羊のニンニクの茎風味

chevreau à l’ail vert

仔山羊のもも肉をオーブンで焼き、途中で刻んだニンニクの茎とオゼイユ、白ワイン、パン粉を混ぜたものを塗り、焼き汁をソースにしたもの

アングレーム風トリップ

tripes à l’angoumoise

牛のトリップと仔牛の足を玉ねぎ、エシャロット、ニンニク、人参、白ワインと一緒にじっくり煮たもの

ガチョウのコンポート仕立て

oie en compote

ガチョウを丸ごと鵞鳥脂で焼いて色付け、玉ねぎ、ニンニク、エシャロットを炒め、白ワイン、トマトなどを加えてオーブンでじっくり煮込んだもの。

緑キャベツのアンブレ

embeurré de chou

緑キャベツを4等分し、塩茹でし、ナイフで荒く切りながら、シャラント産バターを絡めたもの

ポワトゥー風ファルシ

farci poitevin

ふだん草、ほうれん草、オゼイユの葉を粗く刻み、豚バラ肉、卵などと混ぜ、茹でた緑キャベツの葉で包み、布で包んで茹でたもの

トゥルトゥー・フロマジェ

tourteau fromagé

山羊乳のフレッシュチーズと砂糖、牛乳、卵黄、小麦粉を混ぜ、メレンゲを加える。丸い型にパート・ブリゼを敷いてチーズの生地を詰め、表面がドーム状に膨れてほぼ真っ黒になるまで焼いたもの

ポワトゥーのブロワイエ

broyé du poitou

コニャックなどの蒸留酒風味のパート・サブレを作る大型ガレット。脆くて崩れやすいことから命名された

ペイ・ド・ラ・ロワール地方とは?

フランスで一番長いロワール川の下流を中心としたフランスの西部の地方がペイ・ド・ラ・ロワール地方です。中心都市はナントで、気候は海洋性気候による穏和な気候と肥沃土壌の恩恵を受けて、国内有数の農業地帯となっています。主に園芸や牧畜、ぶどう栽培などが盛んに栽培されています。

川や湖沼でとれる淡水魚は種類も多く、サンドル、うなぎ、川カマス、アローズなどが獲れ、ペイ・ド・ラ・ロワール地方生まれのブールブランソースを添えて食べる料理は絶品です。また伝統製法を守る天日乾燥海塩のゲランドの塩は今でも職人の手作業で作られています。

牛の飼育頭数は国内1位を誇り、サルト産やヴァンデ産の豚肉の加工品のリエットやハム、ゴーグ、フレシェールなども評判が高いです。家禽ではシャラン産やヴァンデ産の鶏や鴨、鶉などがとりわけ高い評価を得ています。

野菜ではナントのマーシュ、きゅうり、エシャロット、シャンピニオン、ポワロー、ラディッシュ、アスパラガスなどが生産されています。

ペイ・ド・ラ・ロワール地方の代表料理

ゴーグ gougues ふだん草やほうれん草の茎をラードで炒め、溶かした背脂、生クリーム豚の血などを加えて腸に詰めてゆでたもの
ル・マンのリエット rillettes du mans 豚肉を豚の脂で煮てほぐしたもの。トゥールのものより色が薄い
ショードレ chaudrée えい、舌平目、穴子、コウイカなどを水、白ワイン、バター、ハーブなどで煮込んだもの
うなぎのブイユテュール bouilleture d’anguilles うなぎの筒切りを赤ワインで煮て、小玉ねぎとシャンピニオンのバターソテーを添えたもの。煮汁をソースにしたもの
ブロシェのブールブラン brochet au burre blanc ブロシェを丸ごとクールブイヨンでゆで、ブールブランを添えたもの
仔牛のカジのアンジュー風 cul de veau à l’angevine カジ(尻肉)の塊を、玉ねぎ、人参と共にオーブンで焼き、白ワイン、ブランデー、ブイヨン加えて煮込み、生クリームを加えてソースにしたもの
豚肉のロースト りんご添え roti de porc aux reinettes 豚の背肉をオーブンで焼き、りんごは櫛形にきり、バターでソテーして肉に添えたもの
シュエ chouée 緑キャベツを茹でて細切りにし、バターでしんなり炒める。地域により、豚バラ肉や玉ねぎや人参が加わることもある
ボトロー bottreau 卵入り発酵生地をひし形や長方形に切って揚げ、砂糖をふったもの
クレメ crémet 卵白と生クリームを泡立てて合わせ、布を敷いたチーズ用水切りで水気を切る。フレッシュチーズに泡立てた卵白と生クリームを合わせる作り方もあります。

フランシュ=コンテ地方とは?

フランスの東部、スイスの国境と面する地方がフランシュ=コンテ地方で、中心都市はブザンソンです。17世紀までは神聖ローマ帝国やブルゴーニュ公国、ハプスブルク家などの支配者が転々と変わるといった歴史を持った地方です。主にソーヌ川上流の丘陵地で形成され、水の国と言われるほど川や湖沼が多く、南にあるジュラ山脈と北にあるヴォージュ山脈を中心に森林と牧草地が広がっています。

淡水魚や野生のきのこや蜂蜜、モルトーのソーセージ、ブレジなどの加工食品も豊富です。スイスから伝わってきたチーズの技術も多く、コンテ、モン=ドール、モルビエ、ブルー・ド・ジュクス・オー・ジュラなどが有名です。中でもチーズ製品のカンコワイヨットはフランシュ=コンテ地方独特のものです。

フランシュ=コンテ地方の代表料理

モリーユ茸のクルート盛り croute aux morilles モリーユ茸をバターで炒めて生クリーム煮詰め、中央をくり抜いて、トーストしたパンに乗せたもの
ジェジュ・ド・モルトーのヴィニュロン風 jésus de morteau à la vigneronne 水にアルボワのワインと玉ねぎ、ぶどうの若鳥を入れて1時間ほど煮た後、ぶどうの枝にジェジュ・ド・モルトーとじゃがいも、豚バラ肉をのせて蒸したもの
さくらんぼのスープ soupe aux cerises 白いルーを水で沸騰させ、グリヨット、砂糖、キルシュを加えて煮たもの
フランシュ=コンテ風ポテ potée comtoise 豚の塩漬け肉と燻製肩肉、スペアリブ、モルトーのソーセージ、キャベツ、人参、カブ、じゃがいも、ポワローなどを水から煮たもの
若鳥のヴズル風 poulet à la vesulienne 若鳥に若鳥のレバーと心臓、砂肝、生ベーコン、玉ねぎ卵などを詰めパート・ブリゼで包んでオーブンで焼き、パセリ風味のバターソースを添えたもの
ぺ=ド=ノン pets-de-nonne パータ・シューで作る丸い揚げ菓子。ボム=レ=ダム町の修道女がつくり始めたと伝えられている

アキテーヌ地方とは?

西は大西洋、東は中央山塊、南はスペインとの国境となるピレネー山脈に囲まれた広大な地方がアキテーヌ地方です。ペリゴール、ガスコーニュ、ボルドレ、バスク、アジュネ、ベアルンなどの地方も含みます。気候は海洋性気候で冬は暖かく夏は涼しい。中心都市はワインで有名なボルドーです。

アキテーヌ地方は中世に300年近くに渡ってイギリスの支配下にあり、その間ボルドーのワインがイギリスに送られ、イギリス人に好まれたことがボルドーワイン発展のきっかけになったと言われています。

北のジロンド川河口から南の国境付近までほぼ一直線に続く海岸線や近くの河川から取れる魚介類のうなぎの稚魚や小イカ、ヤツメウナギ、養殖の牡蠣などはアキテーヌ地方の代表する料理によく使われています。

内陸部ではアキテーヌ平野や石灰岩の台地など様々な風土があります。その風土をいかして、トウモロコシの生産は国内で一番で、これを飼料とするフォアグラ用の鵞鳥や鴨を飼育しています。また、ポイヤックの仔羊、シャロスの牛、ランド地方のトリュフ、セップ、干しプラム、ペリゴール地方のくるみやいちごなど多種多様な作物がが栽培されています。

バスク地方はスペインいにもまたがる地域で、言語や風習など独自の文化があり、料理もスペイン料理と融合したようなものが多く見られます。エスプレットの唐辛子やバイヨンヌの生ハムオッソイラティーチーズなどは世界中で使われるほどの人気となっています。

料理名にボルドー風とつけば、ワイン、牛の骨髄、エシャロットを使うのが特徴であり、ペリゴール風はトリュフ入りのソースを添えたり、フォアグラを使った料理が多いです。バスク風といわれるのはトマトやピーマン、ニンニク、場合によってはバイヨンヌハムを使われることが特徴です。ペリグーソースの他に、ベアルネーズソースもアキテーヌ地方の代表的なソースです。

アキテーヌ地方の代表料理

ガルビュール garbure カブ、ポワロー、白インゲン豆、じゃがいも、キャベツ、豚バラ肉を水で煮て、最後にコフィを加えたもの
ティオロ ttoro 魚のアラをオリーブオイルで炒め、玉ねぎ、にんにく、トマト、白ワイン、水などを加えて煮て濾し、その汁でアンコウ、穴子、ラングスティーヌ、ムール貝を煮たもの
ヤツメウナギのボルドー風 lamproie à la bordelaise ヤツメウナギの血を抜いて赤ワイン少量と混ぜ、身は皮をはいで筒切りにする。エシャロット、にんんく、ポワローを炒めて、小麦粉をふり、赤ワインを加えて煮たもの
アントルコートのボルドー風 entrecote à la bordeilaise アントルコートを油で焼く。エシャロットを炒め、小麦粉をふり、赤ワインと牛のブイヨンを加えて煮詰めソースにしたもの
若鳥のバスク風 poulet basquqise 若鳥をオリーブオイルでよく焼き、バイヨンヌハム、玉ねぎを加えて、色付け、ニンニク、トマト、ピーマン、白ワインを加え、ゆっくりと煮たもの
雌鶏のポトフ poule au pot béarnaise 雌鶏のレバー、心臓、砂肝と玉ねぎ、ニンニクなどを刻み、卵とパン粉と混ぜ、鶏にに詰め、野菜と一緒に水で煮込んだもの
鴨コンフィ confit d’oie 骨つきの手羽ともも肉を塩にマリネし、半日〜1日おく。鵞鳥または鴨脂のなかでゆっくり火を入れ、そのまま冷ます。
ピペラード piperade 玉ねぎ、ピーマン、青唐辛子をオリーブオイルで炒め、トマト、ニンニクなどを加え、ゆっくりと煮る。仕上げにほぐした卵などをのせたもの
ボルドー風カヌレ cannelé bordelaise 小麦粉と砂糖、卵を混ぜ、溶かしバターとヴァニラ風味の牛乳で溶きのばし、ラム酒を加えて寝かせる。この生地をカヌレ型に入れ、オーブンで焼いたもの
パスティス・ブリ pastis bourrit ラム酒とオレンジフラワーウォーターなどで風味をつけた発酵生地をブリオッシュ型で焼いたもの
ランド風トゥルティエール tourtière landaise 小麦粉と卵、砂糖、油、水を混ぜた生地をごく薄くのばし、砂糖と溶かしバター、アルマニャックをふって切り分けるトゥルティエールに生地を重ねて敷き、プラムかりんごを詰めて生地で覆い、オーブンで焼いたもの
ガトー・バスク gateau basque 小麦粉、バター、砂糖、卵、レモンの皮で作った生地にイチャスー産ブラックチェリージャムを詰め、生地の表面に模様をつけて円形に焼いたもの

 

リムーザン地方とは?

 

 中央山塊の北西部にあたる標高900m近くの高原地帯で、面積の約2/3を牧草地と森林が占めるのがリムーザン地方です。中心都市はリモージュで陶磁器生産として有名です。昔からの主要食材である栗と穀物、豚、羊、森で取れる野生のキノコ、ブルーベリーやブラックベリーなどの果実、さらに狩猟による野ウサギ、イノシシのどの肉を巧みに組み合わせて農民の料理に変化と彩りを添えてきた歴史があります。

 特に西部のボカージュというところでは牧草が盛んです。中でもリムジーヌ種の牛肉は極めて良質で、ブルゴーニュ地方のシャロレーズ種に匹敵すると言われています。水の澄んでいる河川や池にはカワマスなどが生息しています。果物では栗以外にもくるみやさくらんぼ、フランボワーズ、りんごなどが豊富に取れ、主にデザートに多く使われています。特にリムーザン地方のりんごは歯ごたえのあるゴールデン種で人気が高いです。

 料理名にリムーザン風とつく料理は紫キャベツとりんご、栗を一緒に煮たものを付け合わせることが多いです。

リムーザン地方の代表料理

ブレジョード

brélaude

皮付き塩漬け豚バラ肉入りのキャベツスープ。最後に赤ワインですすいで飲み干すシャブロという習慣もあります

マスの豚バラ肉風味

truite de rievière au lard

マスをラードでムニエルにし、その焼き油で塩漬け豚バラ肉、ニンニク、香草などを炒めて魚にかけたものです

野兎のカベサル仕立て

livree en cabessal

野兎に豚、仔牛肉などを詰めてワインで煮込み、煮汁を野兎の血とレバーでつないでソースにします。野兎のロワイヤル風の元祖ともいわれています

じゃがいものファシデュール

farcidere de pommes de terre

豚バラ肉入り邪義も団子。ポテなどの中で煮て、付け合わせにしたりします

クラフティ

clafoutis

容器にブラックチェリーを並べ、小麦音卵、牛乳、砂糖を混ぜたものを入れてオーブンで焼き、取り出して砂糖をふって冷ます。クラフティ・リムーザンとも呼ばれます。

フロニャルド

flognarde

小麦粉、砂糖、卵、牛乳、塩、オレンジフラワーウォーターやラム酒などを混ぜて容器に入れ、オーブンで焼いたもの

プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方とは?

フランス南東部、フランスんアルスプルから地中海にいたるのがプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方です。西はローヌ川で区切られ、東はイタリアと面しています。 プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方の中心都市はマルセイユです。ローヌ川沿岸の平野とその河口付近のカルマグ湿地を除きおおくは山脈に覆われています。地中海性気候で、夏は乾燥していて暑く、冬は暖かく、時折強い北風ミストラルが吹きます。ニースやカンヌを中心とするコート・ダジュール地方は、19世紀頃から国際的な保養地、観光地としての開発が進みました。

温暖な気候の影響もあって、フランス最大の野菜や果物の産地になっています。トマト、なす、ピーマン、ズッキーニ、ラディッシュ、きゅうり、果物ではもも、さくらんぼ、洋ナシ、アプリコット、りんご、プラム、などの生産量が多くなっています。

さらにバノンチーズ、カルマグ地方の雄牛や夏になるとアルプスの高地に移牧させて育てるシストロンの仔羊などは大変質が良く評判が高いです。また、地中海ではスズキ、アンチョビ、アナゴ、アンコウ、ウニ、ホヤなどの魚介類がとれます。

アイヨリソースやルイユ、タップナードなどはこの地方独特のソースです。しかし、今日ではフランス料理の代名詞のように世界中に知られているものが多く、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方の料理がいかにフランス料理に欠かせいものかがわかります。

また、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方ん調理の特徴はバターをほとんど使わずにオリーブオイルで調理したり、スープにパスタを入れたり、ピッツァに似た生地をを使うなどイタリア料理の影響も所々に見られます。料理にプロヴァンス風とつけば、オリーブオイル、トマト、ニンニクを使うのが特徴であり、ニース風とつけばニンニク、オリーブ、アンチョビ、トマトを使うことが多いです。

プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方の代表料理

パン・バニャ pan bagnat 丸いパンを横2つに切り、下側の中身をくり抜き、ニンニクを擦り付けオリーブオイルを染み込ませる。このパンでトマト、玉ねぎ、ゆで卵、アンチョビのフィレ、オリーブなどを挟んだもの
ピサラディール pissaladière 玉ねぎの薄切りとニンニクをオリーブオイルで柔らかくなるまで炒め、手で平たくしたパン生地の上に広げて、アンチョビのフィレとオリーブをのせ、オーブンで焼いたもの
ニース風サラダ salade niçoise ニンニクを擦り付けたさらに、ひやしておいたトマト、アンチョビのフィレ、ピーマン、小玉ねぎを並べて、オリーブオイルと塩、胡椒、バジルの千切りのドレッシング、固茹で卵、オリーブを飾ったもの
ピストゥー入りスープ soupe au pistou 白いんげん豆、人参、ズッキーニ、カブ、さやいんげんなどをみずで煮て、パスタを加え、提供するときにピストゥーを加え混ぜたもの
スズキのフェンネル詰めグリル loup grillé au fenouill スズキの内臓を抜き、腹にフェンネルの小枝を詰め、グリルで焼き、皮を剥がしたもの
ブイヤベース bouillabaisse 小魚、渡りがに、ポワロー、玉ねぎ、ニンニク、トマトなどをオリーブオイルで炒め、水を加えて煮る。サフランを加えてカサゴ、アナゴ、ほうぼうなどを煮る、ルイユを添えたもの
ピエ・エ・パケ pieds rt paquets 塩漬け豚肉とにんにく、パセリを刻んで羊の胃で小さく包み、羊の足、とともに白ワインなどでじっくり煮込んだもの
ラタトゥイユ ratatouille なす、ズッキーニ、ピーマン、玉ねぎ、を適宜に切って別々にオリーブオイルで炒め、鍋に合わせ、トマト、タイム、ローリエ、ニンニクを加えゆっくり煮込んだもの

ラングドック=ルション地方とは?

フランス南部中央山塊と地中海の間にあって、東はローヌ川に区切られ、南はスペインい面する地方がラングドック=ルション地方です。ラングドックは「オック語」という意味のフランス語で中世の時代にこの「オック語」を話していたことからラングドックと呼ばられようになり、中心都市はモンペリエです。

内陸部では豚や仔羊、野菜がなどをふんだんに使い風味の強いボリュームのある料理に仕上げるのがこの地方の特徴になっています。代表料理はなんといってもカスレ。白インゲン豆と肉類をよく煮込んだ郷土料理です。カルカソンヌ、カステルノダリー、トゥールーズの3つの都市でカスレの本家争いをしていて未だに決着はついていないようです。

海沿いの地域では、ヒメジ、アナゴ、ボラや養殖の牡蠣やムール貝など魚介類を扱う料理も多いです。町ごとに材料や作り方が違う魚のスープの「ブーリッド」とニームの特産として名高い干鱈のブランダードが2大料理と言えるでしょう。

ルション地方はフランスの最南端で、極めて温暖な気候に恵まれていて、野菜の促成栽培が発達しています。料理や菓子にはピレネー山脈のスペイン側のカタルーニャ地方の影響も受けています。

料理名にラングドック風となっているものはトマトやナス、セップ茸を使うことが多いのが特徴です。

ラングドック=ルション地方の代表料理

ペズナースの小型パテ pettit paté de péznas カソナードで甘みをつけた仔羊のひき肉とケンネ脂、レモンの皮を合わせ、ラード入り生地で包んでオーブンで焼いたもの
セート風ブーリッド bourride sétoise 人参、ポワロー、ふだん草の緑の葉、にんにく、玉ねぎなどをオリーブオイルで炒め、アンコウのぶつ切り、白ワイン、水を加えて煮る。煮汁にアイヨリを混ぜ、アンコウにかけたもの
ニームのブランダード brandade de morue de nimes 干鱈を茹でてほぐし、オリーブオイルと温めた牛乳を交互に混ぜ、白く滑らかなペースト状に仕上げる。ニンニクやじゃがいもを加えるレシピもあるが、ニーム風では加えない
伊勢海老のシヴェ civet de langouste 伊勢海老の筒切りをオリーブオイルで炒め、コニャックでフランベして、バニョルスワインを加えて煮詰める。別に炒めたエシャロット、玉ねぎ、ニンニク、トマト生ハムを合わせたもの、魚のフュメを加えて煮込む。コライユやミソと小麦粉、バターをを加えソースを作る
カスーレ cassoulet 白インゲン豆を豚のバラ肉や、香味野菜、水とともに煮る。焼き色をつけた豚の肩肉やガチョウか鴨コンフィなどを鍋に入れ、ソーセージ、ブイヨンなどとオーブンで煮込んだもの
ボレス・デ・ピコラ boles de picolat パセリ入りの牛と豚のひき肉団子をオリーブオイルで焼き、玉ねぎ、トマト、ハム、豚バラ肉、オリーブ、シナモン入りのソースで煮込んだもの
ブラ・ド・ジタン bra de gitan クレーム・パティシエールに似たクリームを詰めたロールケーキ
カタルーニャ風クリーム crème catalane 卵と小麦粉、コーンスターチ、砂糖を混ぜ、シナモンとレモンなどで風味をつけた牛乳を加え、加熱して濃度をつける。冷蔵庫で冷やし砂糖でキャラメリゼしたもの

 シャンパーニュ=アルデンヌ地方とは?

  

パリ盆地の東の周縁部に広がり、北部のアンデルヌ山地でベルギトの国境に面するのがシャンパーニュ=アルデンヌ地方です。中心都市はシャロン=アン=シャンパーニュです。シャンパーニュ地方は大きく3つに別れており、中央部の乾燥シャンパーニュはテンサイ、小麦、大麦などの栽培、東部の湿潤シャンパーニュは牧畜、西部の丘陵シャンパーニュはぶどうの栽培が盛んという特徴があります。

シャンパーニュ地方はお祝いや乾杯に欠かせないシャンパンの産地で有名ですが、その華やかなワインとは対照的に料理は田舎っぽいものが多いです。とは言うものの、中世には地中海地方と北海地方を結ぶ交通ルートとして栄えた歴史があり、伝統的特産は様々な種類があり豊富になっています。

ランスのハム、ルテルの白ブーダン、トロワのアンドゥイエット、アルデンヌのドライハム、パン粉を付けてグリエするサント=ムヌー風豚足など豚肉の加工品は特に種類が豊富になっています。また、セーヌ川、エーヌ川で獲れる、うなぎ、鯉、川かますなどをワインで煮込んだマトロートなどもシャンパーニュ=アルデンヌ地方の料理の代表です。

北部のアルデンヌ地方を中心に森林や山地も多く、鹿、イノシシ、うさぎ、うずらなどが豊富に獲れ、これらを使ったジビエ料理もバリエーション豊かです。家禽では若鳥、ほろほろ鶏、七面鳥などが有名で、なかでも羽と足の赤い七面鳥はフランスではこの地方だけで飼育する大変珍しい品種で風味が強く主に大晦日に食卓に登ることが多いです。

ランスに伝わる菓子類は有名で、その代表はビスキュイ・ローズとパン・デピスです。パン・デピスはライ麦を使うのが特徴で、歴史はブルゴーニュ地方のディジョンのものより古いと言われています。さらに、柔らかいパン・デピスにフランボワーズなどのジャムを挟んだノネットも評判の高いお菓子です。

シャンパーニュ=アルデンヌ地方の代表料理

タンポポと豚バラ肉のサラダ salade de pissenlits aulard 塩漬け豚バラ肉または生ベーコンを温め、溶け出た脂ごと熱い酢とともにタンポポにかける温かいサラダ
野兎のテリーヌ terrine de lièvre 野兎肉に内臓や豚肉を加えたファルスを背脂の薄切りを敷いたテリーヌ型に詰めて焼いたもの
シャンパーニュ風ポテ potée champenoise 塩漬け豚肉、燻製ソーセージ、人参、ポワロー、じゃがいも、キャベツ、かぶを水で煮込んだもの
シャンパーニュ風マトロット matelote champenoise 川かます、うなぎ、鯉など淡水魚のブツ切りをシャンパーニュの非発砲性白ワインで煮て、煮汁にブールマニエ、または卵黄と生クリームでとろみをつけたもの
サント=ヌムー風豚足 pied de porc à la saint-menehould 茹でた豚足に溶き卵、パン粉をまぶし、溶かしバターをかけてグリエし、マスタードをそえたもの
雄鶏のブジーワイン煮 coq au bouzy 雄鶏をブジーワインに漬けて、これをバターで焼き、つけ汁を注ぎ、シャンピニオン、生ベーコンと一緒に煮込んだもの
鵞鳥の詰め物 農夫風 oie farcie à la paysanne 玉ねぎ、ニンニク、エシャロットを炒めて白ワインを加えて煮詰め、ソーセージ用ひき肉、茹でた鵞鳥のレバーと合わせる。これを鵞鳥に詰め、白ワインとブイヨンで蒸し煮にしたもの
ガトー・モレ gateau mollet クグロフ型で焼く柔らかいブリオッシュ
タルト・オ・クムー tarte au quemeu パート・ブリゼのタルトに卵と牛乳、砂糖、非熟成のラングルチーズを詰めて焼いたもの

 ノール=パ=ド=カレ地方とは?

 

 北はベルギーと面し、西はドーバー海峡をのぞむフランス最北の地方がノール=パ=ド=カレ地方です。中心都市はリールです。古くから有数の工業地帯であり、ブーローニュ=シュル=メールなどの素晴らしい港にも恵まれています。フランス中に魚を供給し、缶詰作りも盛んに行われています。

 主要作物はアンディーブ、じゃがいも、燻製ニンニク、ランゴ豆、家禽などで、「ベル・ブルー」と呼ばれる乳、肉兼用牛はラベル・ルージュなど質の良い食材が数多くあります。

 ぶどうは育たないので、ワインは作れず、ビールが日常の飲み物となえい、スープや煮込み料理などにも使われます。なおフランドル地方はベルギーの西側に面していることもあり、食文化が共通するものもあります。カルボナード、オシュポ、ワーテルゾイ、ゴーフルなどはその代表と言えます。

ノール=パ=ド=カレ地方の代表料理

ポワローのフラミッシュ flammèche aux poireau バターで炒めて生クリームを混ぜたポワローを円形のパート・ブリゼに詰め、生地を蓋をしてオーブンで焼いたもの
魚のワーテルゾイ waterloo de poissons ポワローやセロリ入りの魚のフュメでマス、川かます、などの淡水魚を煮て、取り出し、煮汁を生クリームでつな魚を戻して温めたもの
カルボナード  carbonade 玉ねぎをラードで炒め、ワイン酢とヴェルジョワーズで調味し、ラードで焼いた牛の肩肉と交互に鍋に詰め、ビールを加え、マスタードを塗ったパン・デピスの薄切りで覆い、オーブンで煮たもの
オシュポ hochepot 牛バラ肉、子牛や仔羊の肩肉、豚の塩漬けバラ肉と耳などと玉ねぎ、人参、カブ、キャベツなどと一緒に水で煮たもの
ポチュブレシュ potjevlesch 豚、仔牛、鶏、兎の肉をビールと一緒に香味野菜に漬け、戻したゼラチンと交互に層にしてテリーヌ型に詰め、つけ汁をかけてオーブンで焼いたもの
雄鶏のビール風煮込み coq à la bière 雄鶏をラードで焼き色をつけて小麦粉をふり、エシャロット、ビール、ニンニクなどを加えてオーブンで煮たもの
砂糖のタルト  tarte sucre パート・ブリゼまたは発酵生地を丸型に敷き、砂糖を数mmの厚さに詰めて水で湿らせ、バターをちらしてオーブンで焼いたもの

ローヌ=アルプ地方とは?

 

 フランス南東部にあり、東はスイス、イタリアと面するのがローヌ=アルプ地方で中心都市はリヨンです。ローヌ=アルプ地方は人口、面積共に国内第2位で食材や料理も豊富です。リヨンはローヌ川とソーヌ川という大きな川の合流点に古代ローマ時代から繁栄し、15世紀には国際的な市の創設や絹織物の導入により商工業が発展しました。現在は商工業都市、国際文化都市として成長をつづけています。

 リヨンは美食の町と呼ばれていて、地元の各種ソーセージ、アンドゥイエットなど豊富な豚肉加工食品が有名です。また、品質維持のために厳密な規制を受けて飼育されるブレス地方の若鳥、肥育鶏、去勢鷄、七面鳥、ドンブ湿地帯の鯉や川かます、カエル、さらにブルゴーニュワインなど隣接する地方に上質で多彩な食材が生産されているから食文化が大きく進歩したのではないでしょうか。

 さらには、19世紀末から第二次世界大戦前頃にかけて、ブルジョワ家庭の料理人だった女性たちが自分の店を開き「リヨンのおふくろ」と呼ばれてリヨン料理の名声を高めたこと、また一方で「ブション」と呼ばれる庶民の食堂で出される豚肉や加工品、内臓料理などがのちに伝統的フランス料理に数えられるようになったのも、美食の街と呼ばれるようになった理由だと考えられています。

 料理名にリヨン風とつけば、ほとんどが玉ねぎをベースに作られています。また、ほかの地方では忘れかけられているカルドンやチョロギもよく料理に使われます。

 山岳地帯のサヴォワ地方には川と湖が多く、アルプスイワナ、ラヴァレ、フェラなどが特産となっています。サヴォワ地方は気候が厳しく、野菜の生産には乏しいためじゃがいもが多くの料理に使われるようになった。

 ドーフィネ地方は北と西側をローヌ川が流れ、東側は山が多く、西に行くつれ台地、丘陵地帯となっています。ドロームの家禽、アルデッシュハム、ニンニクは国内の評価も高いです。また、グルノーブルのくるみ、ニヨンの黒オリーブとオリーブオイルも評価が高くなっています。18世紀にはグルノーブル近郊で修道士が作り始めたシャルトリューズは世界的に知られていて、カクテルや料理などに利用されています。ローヌ川流域では果物の栽培が盛んに行われていて、さくらんぼ、アプリコット桃、ネクタリン、フランボワーズなどフランスを代表する果物が生産されています。

 

ローヌ=アルプ地方の代表料理

鶏のブロンド色のレバーのガトー仕立て  gateau de foies blondes de volaille ブレス鶏のレバーのピュレにバター、卵、生クリーム、などを加えて肩に詰め、湯煎にしてオーブンで焼いたもの
サラディエ・リヨネ salade lyonnais 鶏のレバーのソテー、茹でた羊の足、ニシンのマリネ、ゆで卵、ハーブなどをヴィネグレットであえたサラダ
ロバの鼻面サラダ salade du groin d’ane

フライパンで炒めた生ベーコンの棒切り、ニンニク風味のパン・ド・カンパーニュのクルトンをそれぞれ焼き脂ごとタンポポに加え、フライパンで酢をでグラッセしたものを加えて混ぜる。リヨンではタンポポをロバの鼻面と呼ぶ

セルヴェル・ド・カニュ cervelle de canut 直訳すると「絹織工の脳みそ」という意味で、フロマージュブランに油、白ワイン酢、刻んだエシャロット、ハーブ、ニンニクなどを加えて良く混ぜたもの
リヨン風オニオングラタンスープ gratinée lyonnaise 玉ねぎの薄切りをバターでしんなり炒め、鶏のブイヨンを加えて煮る。パンの薄切りを乗せチーズを降ってオーブンで焼いたもの
ブロシェのクネル quenelles de brochet 川かますのすり身と卵白、バターなどを混ぜ、パナード(小麦粉、バター、牛乳)と合わせて紡錘形にして茹で、生クリーム入りベシャメルソースをかけオーブンで焼いたもの
タブリエ・ド・サプール tablier de sapeur 直訳すると「工兵の前掛け」という意味。牛のグラ=ドゥーブル(胃)を白ワイン、レモン汁、マスタードに漬け、パン粉衣をつけて油で焼き、グリビッシュソースを添えたもの
若鳥のビネガー風味

 poulet au vinaigre

鶏ををバターで炒め、ワイン酢を加えて蒸し煮にする。白ワインと酢ででグラッセし、ブール・マニエでとろみをつけてかけたもの
肥育どりのドゥミ=ドゥイユ

 poularde demi-deuil

ブレスの肥育鷄の皮と肉の間にトリュフの薄切りを差し込み、布に包んで鶏のブイヨンで茹でる。白い鶏肉の所々にトリュフの黒が透けて白と黒の取り合わせが半喪を表す模様に見える
カルドンの骨髄添え cardon à la moelle ゆでたカルドンをバターで炒めて小麦粉をふり、ブイヨンを加えて煮て、別に茹でた牛の骨髄の輪切りを添えたもの
ビューニュ bugles 小麦粉、卵、佐藤、バター、レモンの皮、ラム酒を混ぜ、薄く延ばして長方形に切って揚げ、砂糖をふったもの
アルプスイワナの昔風 omble chevalier à l’ancienne アルプスイワナとセップ茸を白ワインとレモン汁で蒸し焼きにしたもの
牛肉のドーブ daube de boeuf

牛肉を赤ワイン、オリーブオイルに漬け込み、この肉と薄塩豚バラ肉をオリーブオイルで焼き、玉ねぎ、トマト、人参、オレンジの皮でじっくりと煮たもの

豚肉の煮込み  fricassée de caion 豚の背肉を白ワインと油などに漬け込み、バターで焼き、つけ汁と赤ワインで煮込み、煮汁を豚の血と生クリームでつないだもの
ディヨソーセージの白ワイン煮 diot au vin blanc 玉ねぎと、エシャロットをバターで炒め、小麦粉をふり、白ワインを加えて煮た中に、バターで焼き色をつけたディヨソーセージをを加えてゆっくり煮たもの
ドーフィネ風じゃがいものグラタン gratin dauphinois ニンニクをこすりつけてバターを塗ったグラタン皿にじゃがいもの輪切りと生クリーム、牛乳を入れてグラタンにしたもの。ブイヨンとボフォールチーズを使うとサヴォワ風になる
タルティフレット tartiflette 小さく切ったじゃがいもと玉ねぎをバターで炒め、ルブロションチーズをのせ、温めて溶かしたもの
サヴォワ風チーズフォンデュ

fondue savoyarde

ボフォール、コンテなどのチーズを地元の白ワインに入れて溶かし、キルシュ酒で風味をつける。この中にパンのかけらを入れてチーズを絡めて食べるもの
ビスキュイ・ド・サヴォワ biscuit de Savoie

卵黄と砂糖、小麦粉、じゃがいものデンプン、泡立てた卵白を合わせ、型に入れてオーブンで焼いて冷ます。粉糖をふりジャムやクリームを挟んだり、ソースを添えたりするもの

 

 ミディ=ピレネー地方とは?

中心都市はトゥールーズで、フランス南西部の内陸地帯で、南部はピレネー山脈を挟んでスペインと面する地域です。面積は国内で一番広く、東のエルグル、西のガスコーニュ、南のビゴール、北のけるしーなども含んだのがミディ=ピレネー地方です。平野部や山岳地帯、台地、渓谷など様々ななので農作物、畜産物、ぶどうなどの生産が盛んに行われています。

この地方独特の料理というのは少なく、隣接する地方の郷土料理などと似たようなものになってしまいます。また、豚肉や家禽の内臓やくず肉、ソーセージ、インゲン豆を使った煮込み料理が多く、鵞鳥の脂を使って調理するのはフランス南部での共通です。

食材の品質は大変良く、中でもビゴール地方の黒豚は有名で、ガスコーニュ地方の家禽、ケルシー地方仔羊とメロン、ロマーニュの白ニンニク、ロートレックの赤皮ニンニクなどがIGP認定されている。

チーズはロックフォールを中心に、ロカマドゥール、ブルー・デ・コースなども品質が高いです。

ミディ=ピレネー地方の代表料理

トゥールーズ風エストゥファ setuffat toulousain 背脂とニンニクを刺した牛の尻肉を赤ワインで煮込み、仕上げに茹でた白いんげん豆、焼いたトゥールーズソーセージを加えたもの
グラ=ドゥーブルのアルビ風 gras-double à l’albigeoise 生ハム、ニンニクをラードで炒め、小麦粉をふり、グラ=ドゥーブル、牛のブイヨン、サフラン、パセリを加えて煮て仕上げにケッパーを散らしたもの
家禽の臓物の煮込み alicuit 鵞鳥、または鴨くず肉や内臓をその家禽の脂で炒めて取り出す。香味野菜を炒め、白ワイン鶏のブイヨンなどを加えて煮込んだもの
野兎のソビケ仕立て lièvre ensaupiquet 野兎をロゼにローストする。玉ねぎと野兎のレバーを炒め、鶏のブイヨンに浸した、パン粉、ニンニク、赤ワイン酢、赤ワインを加えて煮詰めソースをかけたもの
ガトー・アラ・ブロッシュ gateau à la broche 小麦粉、卵、バター、砂糖で作った生地にオレンジフラワーウォーター、ラム酒などで香りをつけ、強火の前で紡錘形の木の棒を回しながらその棒に生地を少量つけながら層状に焼き重ねる

 ピカルディー地方とは?

フランスの北部にある地方で中心都市はアミアンです。パリ盆地の北部にあたり、平原が広がっており大規模農場に適した地方です。ですので、じゃがいもとテンサイの生産が国内1位で、小麦は2位を占める。

ソンム川沿では湿地帯を利用した集約栽培が盛んで、ほうれん草、アンディーブ、グリンピースインゲン豆などが多く生産されています。また、ソンム湾の塩分の多い牧草で育つプレサレと呼ばれる子羊は絶品で国内の評価も高いです。鴨を使ったアミアンのパテの起源は17世紀に遡るとも言われています。

ピカルディー地方の代表料理

ピカルディー風フィセル ficelle picarde 甘みのないクレープにハムの薄切りをのせて、シャンピニオン入りクリームソースのせて巻き、同じソースとチーズをかけてオーブンで焼いたもの
アミアンの鴨のパテ paté de canard d’amiens 鴨を背開きにして骨を取り除き、背脂で炒めた玉ねぎとエシャロット、レバーや砂肝に卵を加えたファルスを詰め、生地に包んで焼いたもの
湿地栽培の野菜スープ soupe des hortillons キャベツとポワローをバターで炒め。水、じゃがいも、グリンピースを加えて煮て、サラダ菜とオゼイユを混ぜる
カギューズ caghuse ラードを塗った耐熱容器に豚のもも肉かスネ肉の輪切りと玉ねぎの薄切りを入れ、オーブンで焼いたもの
ガトー・バテュ gateau battu ブリオッシュに似た発酵生地をよくこねてラム酒かコニャックで風味つけて、溝のついた円筒形に入れてオーブンで焼いたもの
ラボット rabot 皮と芯をくり抜いたりんごを丸ごとタルト生地で包み、オーブンで焼いたもの

コルス地方とは?

フランス南東の会場にある地中海に浮かぶ島がコルシカ島でコルス地方です。中心都市はナポオンの出身地であるアジャクシオ。歴史的にも地理的にも18世紀後半以前の支配者だったイタリアの影響が強く、料理ではフランス本土ではなかなか出会えないものがあります。

島全体がほぼ山地で占められ、栗林やマキと呼ばれる林が広がり、羊、ヤギ、豚、の飼育が盛んで、羊とヤギからはブロッチュチーズ、豚からはロンツォ、コッパ、フィガテッリなどイタリア風の加工品が作られてます。

かつては重要な食料源であった栗は現在では栗粉になってお菓子屋ポレンタなどに利用されています。沿岸部には1,000kmにも及び、沿岸部はヒメジ、アンチョビ、イワシ、伊勢海老など魚介類の宝庫になっています。ですのでブイヤベースに似た料理も作られています。また、東側の平野部ではクレマンティーヌの栽培が盛んです。このほかオリーブ油と蜂蜜が特産物です。

ナポレオン

1769年、コルシカ島のアジャクシオで生まれた。本名はナポレオン・ボナパルトだが略してナポレオンと呼ばれる。ナポレオンはあまり裕福ではない貴族に生まれたが、フランス革命という時代の流れにのって、皇帝の地位にのし上がりました。そしてフランス革命の思想とともに、ヨーロッパ全域に力を及ぼしました。

ナポレオンの業績は一言では語れませんが、古い時代を「解体」し、新しい時代を「創造」する役割を果たしたことは確実です。1813年、ナポレオンはプロセイン・オーストリア・ロシアの連合軍にライプチヒの戦いで破れました。ナポレオンはエルバ島に流され、ルイ16世の弟ルイ18世が王位に就き、ブルボン朝が復活しました。

ナポレオンの名言

ナポレオンは数々の名言を残しています。

「余の辞書に不可能という文字はない」

「天才とは、彼らの世紀を照らして光輝く運命づけられた流星である」

「最大の危機は勝利の瞬間にある」

「愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る」

「人は制服通りの人間になる」

「友人を持つということは幸福なことだ」

「フランスに危機来るときにはジャンヌ・ダルクのような雌雄が出て来るのは不思議ではない。」

「荘厳さから滑稽さまでは、わずか一歩にすぎない」

などなどフランスの政権を握ったナポレオンだから説得力のある言葉がおおいですね。

コルス地方の代表料理

ブロッチュチーズのオムレツ omlette au brocciu 卵とフレッシュチーズを混ぜ、オリーブ老いるを熱したフライパンで焼いたもの
アツィミヌ aziminu 岩場で取れる小魚、小さなコウイカやカニ、玉ねぎ、トマト、フェンネル、をオリーブオイルで炒め、湯を加えて煮る。濾して、魚介類を加えて煮たもの
仔山羊のロースト cabri roti 仔山羊にニンニクを刺し、オリーブオイルを塗り、タイムの葉をふりかけてオーブンで焼いたもの
フィアドーネ fiadone 卵黄と砂糖、水気を切ったフレッシュのブロッチュチーズ、泡立てた卵白、香料を混ぜ、オーブンで焼いたもの

 サントル地方とは?

 

 

 フランスのほぼ中央のロワール川中域に広がる一帯がサントル地方です。中心都市はオルレアンです。古来、「フランスの庭」と呼ばれたトゥーレーヌ地方、森や湖沼の多いソローニュ地方、そしてロワール川とその支流など豊かな自然と温和な気候に恵まれ、四季折々の多彩な食材を使った料理はあまり手を加えないシンプルな料理が特徴です。

 豚肉の加工食品であるリエット、リヨン、アンドゥイエットなどは脈々と受け継がれていて美味しさは絶品です。それに加え、オルレアネ地方の家禽、ジェリーヌ・トゥーレーヌと呼ばれる羽毛の黒い雌鶏の肉の美味しさはまさに至極です。

 「フランスの穀倉」と呼ばれるボース平野を中心に小麦の生産量は国内でもトップクラスです。他にも玉ねぎ、トウモロコシ、ビーツ、きゅうり、シャンピニオンも国内生産では有名です。山羊のチーズはサント=モール・ド・トゥーレーヌ、ヴァランセ、シャヴィニョルなどが特に有名になっています。

サントル地方の代表料理

トゥールのリエット

rillettes de tours

豚肉を豚の脂で柔らかくなるまでゆっくり煮て、ツボなどにれて冷ます。ル・マンなどのものよりキメが細かく、色が濃いのが特徴です

リヨン

rillons

豚のバラ肉か肩肉をラードで色付けないようにゆっくりと煮たもの

復活祭のパテ

pate de paques

豚と仔牛のひき肉に玉ねぎとパセリのミジン切りを混ぜ、長方形のパート・フイユテの上にのせ、固茹で卵の半割りを並べ、ひき肉で覆って生地で包み、オーブンで焼いたもの

トゥーレーヌ風スープ

soupe tourangelle

カブ、ポワローなどをバターで炒め、塩漬け豚バラ肉の薄切り、キャベツなどを加え、鶏のブイヨンなどで煮たもの

羊のもも肉7時間煮

gigot braisé à la sept heures

丸ごとの羊のもも肉を香味やし後一緒にワイン、水などで肉がほぐれるぐらいまで柔らかく蒸し煮したもの

ピティビエ

pithiviers

円形のパート・フイユテにアーモンドクリームをのせて、生地をかぶせ、表面に模様をつけオーブンで焼いたもの

タルト・タタン

tarte tatin

りんごをバターと砂糖で炒めてカラメル状にして丸い型に詰めパート・ブリゼをかぶせて焼き、裏返して盛る

その他の地方とは?

カリブ海に浮かぶアンティル諸島のグワドルーブ島。中心都市はバス・テール。同じく、マルティニック島。中心都市はフォル=ド=フランス。大陸北東部の大西洋に面したギュイヤーヌ。中心都市はカイエンヌ。南半球にあるインド洋西部のレユニオン島。中心都市はサン=ドニ。同じくインド洋西部んマイヨット島。中心都市はマムズ。これらはフランスの海外県とされ、地方とも数えられています。いずれも熱帯モンスーン気候に属し、貿易風などの影響で快適で過ごしやすいです。

これらの地方は旧植民地で、当時ほどサトウキビの栽培は盛んではないものの現在も主産物であり、砂糖やラム酒バナナと共に輸出されています。それぞれの県ではフランスのほか、アフリカやインド、中国、東南アジアなどの料理や料理法が何世紀ものあいだに適応され、融合され、現在の食文化になっています。

これらの海外の県の特徴は唐辛子とスパイスとラム酒です。唐辛子は様々な形ん変えられ、料理に使われ、さらに島特有のスパイスが加わって風み豊かな思いがけない味に仕上がります。その代表例がコロンボです。魚介や肉を唐辛子やライムなどの風味につけて焼き、混合スパイス(コリアンダー、ターメリック、コショウ、クミンなど)を加えて水で煮たものです。似たような料理にレユニオン島のカレーがあり、材料はほぼ一緒で、ニンニク、トマトなどが入り、どちらも米を添えることが多いです。

レユニオン島では特に魚介のカレーにルガイユという薬味を添えることが多いです。これはトマトと唐辛子、玉ねぎ、塩、油、酢などを潰して混ぜたものです。また、珍しい食材も多く体の色が鮮やかなフエダイ類や陸がに、ワスーと呼ばれる手長エビ、巻貝のソデボラ類など野菜ではタロイモ、ヤムイモ、キャッサバ、パンの木ノ実ばど。ちなみの香辛料のカイエンペッパーはギュヤーヌの中心都市カイエンヌに由来しています。

果物は加熱して食べるバナナのプランテイン、マンゴー、パパイヤ、ココナッツ、パイナップル、ライムなどがあり、そのまま食べたり、もしくはベーニュやフランベなどのデザートにして食べます。また、ラム酒をベースにライムやオレンジなどの果汁やシロップ、ココナッツミルクなどを加えた飲み物の「パンチ」もよく飲まれています。

その他の地方の代表料理

干たらのアクラ acras de morue 干鱈を塩出ししてゆで潰し、ニンニク、ねぎ、パセリ、唐辛子、小麦粉、加えて小さく丸めて揚げたもの
フェロス féroce 干鱈を直火で焼いてから塩出ししてほぐし、にんにく、ねぎ、唐辛子、ライムの汁などにつけたあと、つぶしたアボカドとキャッサバ粉と混ぜたもの
カラルー calalou タロイモの葉やおくら、ネギ、にんにく、唐辛子、生ベーコンなどを水でにて濾しピュレ状のスープ
現地人のスープ soupe z’habitants かぼちゃ、ポワロー、人参、カブ、ほうれん草、オゼイユ、さやいんげんタロイモの葉などを炒めて塩漬けの豚のてーるなどと煮込んだもの唐辛子を加えることも
魚のブラフ blaff de poisson 白身魚の切り身を唐辛子、ライムの汁などにつけたあと、玉ねぎと、ニンニク、タイム、ローリエなどを加えた湯で茹で、ニンニクとライムなどで茹で汁をのばし、白身魚にかけたもの
陸がにのファルシ crabe farci 生きている陸ガニを唐辛子やライム入りの湯で茹でて、ほぐす。にんにく、ネギ、唐辛子で炒め、タイム、イアタリンアパセリ、牛乳に浸したパン粉を加え混ぜ、カニの殻に詰めてオーブンで焼いたもの
ソデボラのフリカッセ fricassée de lambis ソデボラ類の貝の身を酢とスパイス入りの水で茹でる。ニンニク、トマト、イタリアンパセリ、唐辛子などと炒め、茹で汁を加えて煮込んだもの
豚肉のコロンボ colombo de porc 豚肉の角切りにライムの汁をまぶし、玉ねぎなど焼き色をつけ、ナス、じゃがいも、きゅうり、コロンボなどを加え水で煮たもの
アチャール achard  ライム、人参、さやいんげん、キャベツ、椰子の芯などを塩漬けした後、唐辛子、ニンニク、サフラン、生姜などで香りをつけた油に24時間つけたもの
バナナのフランベ banane flambée  バナナをバターで焼き色を付けて取り出し、焼き油にバターとライムの汁を加え煮詰め、バナナを戻してからラム酒でフランベしたもの

 

 

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