フランスの地方料理【ノルマンディー地方】

ノルマンディー地方

ノルマンディー地方とは?

英仏海峡に臨北西部の地方がノルマンディー地方です。行政的には東半分のオートーノルマンディーと西半分のバスーノルマンディーに分けられます。

緯度は高めで海洋性気候の影響で温暖湿潤で、牧草地やりんごの果樹園、農地が広がる内陸部では料理に使用する食材も料理の特徴も大きく違います。

沿岸部では舌平目、たら、ニシン、鯖、小型オマール、牡蠣、ムール貝、ホタテ、小エビなど新鮮な魚介類が豊富に獲れます。これらはスープにするときも地元の濃厚な酸味のある生クリームを使うことが多いです。

内陸部では、フランスきっての酪農地帯で、主に乳も肉にもなる兼用の牛であるノルマンド種を飼育しています。

ノルマンド種の牛乳は非常に良質で、この牛乳を使った乳製品は優れたものが多いです。

例えばイジニー産のバターや生クリームのほか、カマンベール、リヴァロ、ヌシャテル、ポン・レヴェックなどフランスを代表するチーズが作られています。

さらにモンサン・ミッシェルのプレ・サレと呼ばれる仔羊は年に5〜7会大潮に洗われる牧草を食べることで、肉に独特の旨味があります。

豚や家禽の飼育にも力を入れていて、その中でもルーアンの鴨は有名です。ルーアンの鴨は窒息させて屠殺するので体内に血が留まり、肉が赤みを帯びて独特の風味が出るので人気が高いです。

この特徴を生かして血をソースに利用する鴨料理は19世紀頃にルーアン風としてパリのレストランから広まったと言われています。

ノルマンディー地方の気候ではぶどうが育ちません。そのためりんごや洋ナシなどの果物が栽培されていいます。りんごの果汁を発酵させたシードル酒やこれを蒸留したカルヴァドスなどが有名です。

りんごとシードル酒、カルヴァドスはノルマンディー地方の3大食材で多くの郷土料理やお菓子などに使われています。

ノルマンディー風とつく料理にはバター、生クリーム、りんご、シードル、カルヴァドスを使っていることが多いです。

ノルマンディー地方の海の幸は?

ノルマンディー地方の海の幸は、海岸の地形の違いのせいなのか隣のブルターニュ地方のものと比べ、かなり様変わりします。

砂地の多いノルマンディー地方では、灰色の小さなエビ(crevette grise)、そして赤い色が鮮やかなブーケ(bouquet)と呼ばれるエビは高価ですが美味しいです。

いずれも採りたてをすぐ海水で茹でてパリまで運んできます。

小さなクルヴェット・グリズが塩辛いのはそのせいなのです。そして魚もフランスでポワソン・プラと呼ばれる平らな魚のヒラメや舌びらめ、鰈などの魚がよく獲れます。

また、リゼット(lisette)とよばれる小型の鯖がとれ、酢を効かせたクール・ブイヨン、もしくはナージュ風にボイルして好んで食べます。

ノルマンディー地方の酪農は?

ノルマンディー地方は酪農王国です。ですのでこの地方のチーズは品質の良いものがたくさんあります。

まず、ノルマンディー地方の三大チーズはカマンベール、リヴァロ、ポン・レヴェックです。リヴァロ以外は日本でも馴染みのあるチーズだと思います。

そのほかには、型に流し込んだヌーシャテルやヴェランヴェール、シュープレーム、プティ・スイスなどの牛乳を中心としたクリーム系のチーズが多く作られています。

その中でもイジニー(Isigny)のバターと生クリームはフランスの中でも最上級のものであるとされています。ちなみにこのイジニーという地域はウォルトディズニーのDの文字を取ってディズニーの語源(D’isigny)とされている地域でもあります。

ノルマンディー地方の料理の特徴

料理名にノルマンディー風とつくものはたくさんあります。ノルマンディー風という料理の特徴は生クリーム、バター、シードル、カルヴァドスを使用していることが多いです。

ですので、魚料理、肉料理、内臓料理、デザートに至るまで比較的濃厚な風味なものが多いです。

そこでノルマンディー人は食事の合間に消化を促す名目でカルヴァドスの瓶を開け、グラスいっぱいに注ぎ入れます。

そして、食後のコーヒーの後にも空になったコーヒーカップにカルヴァドスを継ぎ足すことも忘れません。この習慣をランセット、あるいはランシネットなどと言うそうです。

ノルマンディーの代表料理

メール・プラールのオムレツ omelette de la mère poulard 卵に塩、胡椒して掻き立て、バターを溶かしたフライパンでオムレツを作ったもの
ディエップ風マルミット marmitte dieppoise 舌平目、ヒラメ、アンコウ、ホタテ、ラングスティーヌなどをクールブイヨンで煮て、生クリームを加えてスープにしたもの
舌平目のノルマンディー風 filet de sole à la normande 舌平目のアラでフュメをとって、ムール貝、小エビ火を入れます。その煮汁に卵黄、シャンピニオン、バター、生クリーム、レモン汁でソースを仕上げたもの
カーン風トリップ tripes à la mode caen 鍋に豚の皮を敷き、牛の胃、牛と仔牛の足の肉と骨、香味材料を交互に重ね入れ、シードル酒、カルヴァドスを加えオーブンで焼いたもの
鴨ルーアン風 canard à la rouennaise ルーアンの鴨をローストして切り分け、骨を砕いて血をレバーに加えてソースにする。もも肉と手羽はパン粉をふってフライパンで焼く
りんごのブルドロ bourdelot aux pommes パートブリゼで丸ごとりんごや洋ナシを包み、オーブンで焼いたもの

ホタテ貝の温かいテリーヌのレシピと作り方

分量

〜ホタテ貝のムース〜

ホタテ貝        525g

パナード        345g

卵白          2個分

卵黄          2個分

ホタテ貝のグラス    50cc

生クリーム       375cc

コニャック       8cc

カイエンペッパー    少々

塩、胡椒        適量

〜詰め物〜

ホタテ貝 みじん切り  150g

トリュフのみじん切り  45g

シャンピニオン     225g

エシャロット      75g

レモン汁        30cc

バター         適量

〜香草〜

シブレットのみじん切り

エストラゴンみじん切り

パセリのみじん切り

合わせて        20g

グラス・バルサミコ   38cc

作り方

  1. ホタテ貝のムースを作ります。ホタテ貝とパナードをロボクープでムース状になるまでよく混ぜます。卵白、卵黄を加えて、さらによく回し、塩、胡椒で味をつけ一旦濾します。
  2. ボウルに移し、底を氷にあてて冷やしながら木べらでよくモンテし、完全にコシが出て固くなるまで時間をかけてかき混ぜます。
  3. 生クリーを少しづつ加えながら香草のみじん切りを加え合わせます。
  4. コニャックとカイエンペッパー、塩胡椒で味を調え一旦火を通し味を確かめます。
  5. シャンピニオンとエシャロットをバターでソテーします。途中レモン汁をふりかけ冷めたらコンカッセにします。ホタテ貝、トリュフと共にムースに加えよく混ぜます。
  6. テリーヌ型はよく冷やして内側にバターを塗ります。
  7. ムースを絞り袋に入れ、テリーヌ型に上面まで詰めます。上面は緩やかなドーム状にします。
  8. クッキングペーパーをかぶせ、さらにホイルを全体にかぶせ湯せんにしてオーブンにいれます。
  9. 180度のオーブンで約1時間焼いたら表面に色をつけるようにさらに20分焼きます。テリーヌの中心温度をチェックして75度になっているか確かめます。
  10. 湯せんから取り出し、粗熱をとってから表面にグラス・バルサミコ酢をコルネに入れて細い線にしてテリーヌの表面に絞ります。

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