フランスの地方料理【ポワトゥー=シャラント地方】

ポワトゥー=シャラント地方とは?

 フランスの西部、大西洋沿岸の中ほどに位置するのがポワトゥー=シャラント地方です。中心都市はポワティエです。冬は温暖で、夏は涼しい西岸海洋性気候に恵まれ、各地に料理のベースとなる質の良い食材があり、あまり手を加えなくても美味しく、気取りのない料理が特徴です。

 海の幸ではまず、マレンヌ・オレロンの養殖平牡蠣とムール貝、あさりなどの養殖も発達し、ポワトゥー=シャラント地方はヨーロッパ特有の貝類養殖地となっています。ジロンド川河口、ロワイヤン周辺で夏に取れるイワシは缶詰にせず、生のまま市場に出回るのが特徴です。エスカルゴは地域によってカグイユやリュマとも呼ばれ、小型で養殖に向いています。

 この地方の仔羊やセーブル渓谷の家禽も評価が高いです。湿地帯で取れるソラマメやモジェットと呼ばれる小粒の白インゲン豆を使った料理など、隣接する北や南の地方との共通する部分も多く見られます。

 レ島で取れる新じゃがいもなどは特に有名です。キャベツをたっぷりのバターであえたアンブレという料理はシャラントで取れる高品質なバターがあったから生まれた料理といっても過言ではないでしょう。

 かつては国内飼育数1位にもなったことがあるほど、この地方は昔からヤギの飼育が盛んです。主に、シェーブルチーズに利用され、復活祭の頃には仔山羊を食べる伝統も今だに残っています。また、シェーブルのフレッシュチーズを使った黒さと独特の形をした菓子トゥルトゥーは有名です。

ポワトゥー=シャラント地方の代表料理

エクラード

éclade

板の上にムール貝を立てて放射状に並べ、松葉を被せてそれを燃やして貝に火を入れ、バターを塗ったパンなどにのせて食べる野外料理

ムクラード

mouclard

ムール貝を、エシャロット、白ワイン、バターとともに、煮て火を通し、片方の殻を外してさらに並べます。煮汁は濾して煮詰め、生クリーム、卵黄、カレー粉を加えて貝にかけオーブンでさっとあたためたもの

シャラント風カグイユ

caguille à la charentaise

エスカルゴをブイヨンでゆで、小玉ねぎ、エシャロットをバターで炒め、ニンニク、ハム、トマト茹で汁を加えて煮込み、エスカルゴ、パン粉、イタリアンパセリを加えたもの

仔山羊のニンニクの茎風味

chevreau à l’ail vert

仔山羊のもも肉をオーブンで焼き、途中で刻んだニンニクの茎とオゼイユ、白ワイン、パン粉を混ぜたものを塗り、焼き汁をソースにしたもの

アングレーム風トリップ

tripes à l’angoumoise

牛のトリップと仔牛の足を玉ねぎ、エシャロット、ニンニク、人参、白ワインと一緒にじっくり煮たもの

ガチョウのコンポート仕立て

oie en compote

ガチョウを丸ごと鵞鳥脂で焼いて色付け、玉ねぎ、ニンニク、エシャロットを炒め、白ワイン、トマトなどを加えてオーブンでじっくり煮込んだもの。

緑キャベツのアンブレ

embeurré de chou

緑キャベツを4等分し、塩茹でし、ナイフで荒く切りながら、シャラント産バターを絡めたもの

ポワトゥー風ファルシ

farci poitevin

ふだん草、ほうれん草、オゼイユの葉を粗く刻み、豚バラ肉、卵などと混ぜ、茹でた緑キャベツの葉で包み、布で包んで茹でたもの

トゥルトゥー・フロマジェ

tourteau fromagé

山羊乳のフレッシュチーズと砂糖、牛乳、卵黄、小麦粉を混ぜ、メレンゲを加える。丸い型にパート・ブリゼを敷いてチーズの生地を詰め、表面がドーム状に膨れてほぼ真っ黒になるまで焼いたもの

ポワトゥーのブロワイエ

broyé du poitou

コニャックなどの蒸留酒風味のパート・サブレを作る大型ガレット。脆くて崩れやすいことから命名された

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