フランスの地方料理【ローヌ=アルプ地方】

フランスの地方料理【ローヌ=アルプ地方】

ローヌ=アルプ地方とは?

 フランス南東部にあり、東はスイス、イタリアと面するのがローヌ=アルプ地方で中心都市はリヨンです。ローヌ=アルプ地方は人口、面積共に国内第2位で食材や料理も豊富です。リヨンはローヌ川とソーヌ川という大きな川の合流点に古代ローマ時代から繁栄し、15世紀には国際的な市の創設や絹織物の導入により商工業が発展しました。現在は商工業都市、国際文化都市として成長をつづけています。

 リヨンは美食の町と呼ばれていて、地元の各種ソーセージ、アンドゥイエットなど豊富な豚肉加工食品が有名です。また、品質維持のために厳密な規制を受けて飼育されるブレス地方の若鳥、肥育鶏、去勢鷄、七面鳥、ドンブ湿地帯の鯉や川かます、カエル、さらにブルゴーニュワインなど隣接する地方に上質で多彩な食材が生産されているから食文化が大きく進歩したのではないでしょうか。

 さらには、19世紀末から第二次世界大戦前頃にかけて、ブルジョワ家庭の料理人だった女性たちが自分の店を開き「リヨンのおふくろ」と呼ばれてリヨン料理の名声を高めたこと、また一方で「ブション」と呼ばれる庶民の食堂で出される豚肉や加工品、内臓料理などがのちに伝統的フランス料理に数えられるようになったのも、美食の街と呼ばれるようになった理由だと考えられています。

 料理名にリヨン風とつけば、ほとんどが玉ねぎをベースに作られています。また、ほかの地方では忘れかけられているカルドンやチョロギもよく料理に使われます。

 山岳地帯のサヴォワ地方には川と湖が多く、アルプスイワナ、ラヴァレ、フェラなどが特産となっています。サヴォワ地方は気候が厳しく、野菜の生産には乏しいためじゃがいもが多くの料理に使われるようになった。

 ドーフィネ地方は北と西側をローヌ川が流れ、東側は山が多く、西に行くつれ台地、丘陵地帯となっています。ドロームの家禽、アルデッシュハム、ニンニクは国内の評価も高いです。また、グルノーブルのくるみ、ニヨンの黒オリーブとオリーブオイルも評価が高くなっています。18世紀にはグルノーブル近郊で修道士が作り始めたシャルトリューズは世界的に知られていて、カクテルや料理などに利用されています。ローヌ川流域では果物の栽培が盛んに行われていて、さくらんぼ、アプリコット桃、ネクタリン、フランボワーズなどフランスを代表する果物が生産されています。

ローヌ=アルプ地方の代表料理

鶏のブロンド色のレバーのガトー仕立て  gateau de foies blondes de volaille ブレス鶏のレバーのピュレにバター、卵、生クリーム、などを加えて肩に詰め、湯煎にしてオーブンで焼いたもの
サラディエ・リヨネ salade lyonnais 鶏のレバーのソテー、茹でた羊の足、ニシンのマリネ、ゆで卵、ハーブなどをヴィネグレットであえたサラダ
ロバの鼻面サラダ salade du groin d’ane

フライパンで炒めた生ベーコンの棒切り、ニンニク風味のパン・ド・カンパーニュのクルトンをそれぞれ焼き脂ごとタンポポに加え、フライパンで酢をでグラッセしたものを加えて混ぜる。リヨンではタンポポをロバの鼻面と呼ぶ

セルヴェル・ド・カニュ cervelle de canut 直訳すると「絹織工の脳みそ」という意味で、フロマージュブランに油、白ワイン酢、刻んだエシャロット、ハーブ、ニンニクなどを加えて良く混ぜたもの
リヨン風オニオングラタンスープ gratinée lyonnaise 玉ねぎの薄切りをバターでしんなり炒め、鶏のブイヨンを加えて煮る。パンの薄切りを乗せチーズを降ってオーブンで焼いたもの
ブロシェのクネル quenelles de brochet 川かますのすり身と卵白、バターなどを混ぜ、パナード(小麦粉、バター、牛乳)と合わせて紡錘形にして茹で、生クリーム入りベシャメルソースをかけオーブンで焼いたもの
タブリエ・ド・サプール tablier de sapeur 直訳すると「工兵の前掛け」という意味。牛のグラ=ドゥーブル(胃)を白ワイン、レモン汁、マスタードに漬け、パン粉衣をつけて油で焼き、グリビッシュソースを添えたもの
若鳥のビネガー風味

 poulet au vinaigre

鶏ををバターで炒め、ワイン酢を加えて蒸し煮にする。白ワインと酢ででグラッセし、ブール・マニエでとろみをつけてかけたもの
肥育どりのドゥミ=ドゥイユ

 poularde demi-deuil

ブレスの肥育鷄の皮と肉の間にトリュフの薄切りを差し込み、布に包んで鶏のブイヨンで茹でる。白い鶏肉の所々にトリュフの黒が透けて白と黒の取り合わせが半喪を表す模様に見える
カルドンの骨髄添え cardon à la moelle ゆでたカルドンをバターで炒めて小麦粉をふり、ブイヨンを加えて煮て、別に茹でた牛の骨髄の輪切りを添えたもの
ビューニュ bugles 小麦粉、卵、佐藤、バター、レモンの皮、ラム酒を混ぜ、薄く延ばして長方形に切って揚げ、砂糖をふったもの
アルプスイワナの昔風 omble chevalier à l’ancienne アルプスイワナとセップ茸を白ワインとレモン汁で蒸し焼きにしたもの
牛肉のドーブ daube de boeuf

牛肉を赤ワイン、オリーブオイルに漬け込み、この肉と薄塩豚バラ肉をオリーブオイルで焼き、玉ねぎ、トマト、人参、オレンジの皮でじっくりと煮たもの

豚肉の煮込み  fricassée de caion 豚の背肉を白ワインと油などに漬け込み、バターで焼き、つけ汁と赤ワインで煮込み、煮汁を豚の血と生クリームでつないだもの
ディヨソーセージの白ワイン煮 diot au vin blanc 玉ねぎと、エシャロットをバターで炒め、小麦粉をふり、白ワインを加えて煮た中に、バターで焼き色をつけたディヨソーセージをを加えてゆっくり煮たもの
ドーフィネ風じゃがいものグラタン gratin dauphinois ニンニクをこすりつけてバターを塗ったグラタン皿にじゃがいもの輪切りと生クリーム、牛乳を入れてグラタンにしたもの。ブイヨンとボフォールチーズを使うとサヴォワ風になる
タルティフレット tartiflette 小さく切ったじゃがいもと玉ねぎをバターで炒め、ルブロションチーズをのせ、温めて溶かしたもの
サヴォワ風チーズフォンデュ

fondue savoyarde

ボフォール、コンテなどのチーズを地元の白ワインに入れて溶かし、キルシュ酒で風味をつける。この中にパンのかけらを入れてチーズを絡めて食べるもの
ビスキュイ・ド・サヴォワ biscuit de Savoie

卵黄と砂糖、小麦粉、じゃがいものデンプン、泡立てた卵白を合わせ、型に入れてオーブンで焼いて冷ます。粉糖をふりジャムやクリームを挟んだり、ソースを添えたりするもの

 

若鶏のヴィネガー風味のレシピと作り方

分量

若鶏    一羽

にんにくみじん切り  50g

トマト     130g

白ワイン酢  60cc  20cc

白ワイン     200cc

仔牛のフォン   300cc

鶏のフォン    30cc

エストラゴンみじん切り  5g

バター   30g  20g

サラダ油   適量

塩、胡椒   適量

作り方

  1. 若鶏をさばきます。
  2. 鶏肉は塩、胡椒し、バターとサラダ油で全面に焼き色がつくようにソテーします
  3. トマトは湯むきし、あらみじん切りにします。
  4. 鶏肉は一旦取り出し、にんにくを加え、軽くスゥエします。③のトマトを加え、鶏肉を戻します。
  5. ④に白ワイン酢を60ccを入れ、しばらく煮詰め、仔牛のフォンと鶏のフォンを加え、一度沸かしアクを取り除きます。蓋をして弱火にして、柔らかくなるまで煮込みます。
  6. ⑤の表面に浮いている脂を取り除きバター20を加え、よく混ぜます。風味づけに白ワイン酢20ccとエストラゴンを加えて、塩、胡椒で味を調えて完成です。

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