フランス料理の加熱調理

フランス料理の加熱調理

フランス料理の加熱調理とは?

ステーキ""

加熱調理には、食品の消化・九州を促したり、衛生上の加熱処理による安全性を高めたり、食品のテクスチャーを変え、食感や風味をよくするもくてきがあります。フランス料理にとって加熱調理は基本であり、他の国の料理に比べると多岐に渡ります。

加熱調理によって食品の成分に様々な変化が起こり、それが料理の食感や風味の違いをを作り出します。例えば、肉や魚に含まれるタンパク質には高温で加熱すると糖分と反応して香ばしい香りと褐色の色がつきます。また、低温で長時間の加熱を続けると、タンパク質の一部がコラーゲンがゼラチン化して、肉の繊維がほぐれやすくなります。

最近では加熱調理の過程で起こる変化を科学的に分析して、仕上がりのイメージ具体的にすることが簡単になってきました。

焼き色を付けながら火を入れる

フライパンなどで焼き色を付け香ばしい香りを纏い、食品の風味がますことを「メイラード反応」と言います。また、表面は水分が蒸発してカリッとして、内部はゆっくりと火が入るので柔らかく肉汁が逃げないように焼くのが最も美味しい焼き方とされています。中心まで火を入れすぎると、パサついてしまうので、加熱温度や加熱の時間に最も注意を払う必要があります。

フライパンなどで表面を高温で焼くため、厚みのある材料では表面と中心部での温度差ができやすいです。加熱が終わった後も余熱により、内部に熱が伝わり加熱が続くので、それを見越した上での調理が必要いなってきます。牛肉、鴨肉、豚肉、仔羊肉などの肉類全般は余熱を計算して加熱調理するのが基本になっています。また、加熱調理後すぐに切り分けると肉汁が流れ出てしまうので、暖かいところで保温しておきます。こうすることで肉汁が全体に行き渡り切り分けた時に肉汁が出にくくなります。

ローストする

フランス料理の代表的な火の入れ方です。最も基本的で奥が深いです。高温のオーブンやフライパン、油で揚げるなどして、材料の表面に色を付けながら火を入れる調理法です。大きな塊り肉ごとオーブンや回転式ロースト器などで焼くのがローストです。フランス語ではロティ(rotir)と言います。表面に焼き色を付けながら中心に向かって火を入れて行きます。オーブンで焼く場合は先に表面をフライパンなどで焼き固めておきます。

また、加熱中は材料から出る脂やバターなどを時々かけ、表面の乾燥を防ぎながら焼きます。加熱する温度と時間は材料の種類や大きさによって異なるので一概には言えません。ローストの場合、肉から出た肉汁を使ってソースを作ることが多いです。

骨を焼いたもの""

ポワレする

塊り肉や丸ごとの家禽などを油で焼いて表面に焼き色をつけて香味野菜を敷いた鍋にバターと一緒に入れて蓋をしてオーブンで火を通すのがポワレと呼ばれています。熱がやわらくあたり、蒸気が鍋の中にこもるのでしっとりと柔らかく焼き上がります。仔牛や豚肉など白い肉に向いた加熱調理です。

加熱中に出た肉汁からソースを作り、添えることが多いです。肉に焼き色をつけずに鍋に入れて蒸し焼きし、最後に蓋を開けて表面を色付ける方法もあります。

フライパンで食材を焼くことを「ポワレする」という場合もありますが、これはフライパンのことをフランス語ポワルというところからきており、本来はソテーにあたります。

ソテーする

油脂を使って強火で材料に火を通す調理法をソテーすると言います。鍋やフライパンなどを使い蓋をせず、水分を加えないで加熱することです。材料を適度なサイズに切り、できるだけ材料内に水分が残るように短時間で加熱します。厚みがある材料の場合、最後に蓋をしてオーブンに入れて火を通しても大丈夫です。肉をソテーした場合はフライパンに残った肉汁でソースを作って添えることが多いです。

材料に小麦粉をまぶして焼くムニエルやウィーン風の仔牛のエスカロップのように薄切り肉にパン粉をつけて焼く調理法もソテーと言います。いずれも油脂分を多く使います。特にバターを多く使って風味やコクをつけます。

グリエする

材料をあみにのせて炭火にかざしたり、高温に熱したグリルにのせたりして直接熱をあてて火を入れるのがグリエです。網やグリルに接している部分はメイラード反応により焼き色がつき、香ばしさとカリッとした食感ができます。接していない部分は焼き目のところより柔らかく焼けます。グリルを使う場合は材料全体にも油を塗っておくことで熱伝導がよくなり、焼きムラが少なくなります。

グリルは材料が高温にさらされて乾燥しやすいので、適度な厚みに切り分け短時間で焼くのが理想的です。大きな肉の塊などはグリルで焼き目をつけてからオーブンで火をいれてもグリルの特徴が生かすことができます。

揚げる

150〜200度に熱した油に材料を入れて火を通す調理法が揚げです。フランス語だとフリール(frire)です。そのまま揚げる素揚げもありますが、多くの場合は小麦粉、卵、パン粉、もしくはベニエ生地などをつけて揚げることが多いです。ハーブや野菜の千切りなどの薄い材料は油で揚げると水分が蒸発してカリッとした食感になります。逆に材料に厚みがあれば、表面はカリッとしながらも中は水分が適度に残っていて、ホクホクに仕上げることも可能です。

揚げる温度は材料の大きさや種類によって異なりますが、200度を越えると酸化しやすく、揚げ色がつきやすいので多くの揚げ物は160〜180度の温度帯で加熱されます。また、火が通りにくい食材などは低温の油で火を通してから、最後に高温の油でカリッと仕上げることもあります。揚げ油には無味無臭で熱に強い油が向きます。日本ではサラダ油や太白ごま油などが多く使われますが、フランスではピーナッツ油やひまわりオイルが使われます。

メイラード反応

肉を高温で焼くと茶色の焼き色や香ばしい香りになります。加熱された肉の表面で化学反応が起こり、色や香りの物質が生まれるからです。この化学反応をメイラード反応と言います。このメラード反応というのは食品に含まれる糖とタンパク質やアミノ酸によって起こります。温度が高いほど反応が進みやすく、一般的に140〜200度で程よい焼き色がつくとされています。ただしメラード反応が進みすぎると「焦げ」となってえしまいます。肉に限らず、パンやクッキーなどの茶色がかっているのもメイラード反応によるものだと言えます。

焼き色を付けずに火を通す

出汁や水、水蒸気などを利用して表面に焼き色をつけずに穏やかに火を通す調理法です。特徴は表面が乾燥せず、全体的にしっとり仕上がることです。また、長時間加熱しても焦げる恐れが少ないので長時間煮込むことで硬い肉を柔らかくほぐすことも可能です。

ポッシェする

ポッシェするといっていも方法は何種類かあります。熱い液体でポッシェするもの、冷たい液体からポッシェするもの少ない液体でポッシェするものと分けてみます。

熱い液体でポッシェする場合熱した液体に材料を完全に浸して火を通す方法です。肉汁や風味をできるだけ材料にとどめたい場合は熱した液体に短時間浸し加熱します。そのため材料を入れた時に液体の温度が下がらないようにたっぷりの液体を用意するひつようがあります。

調理後の液体には材料からの旨みや風味などが流れでないので、ブイヨンやソースにはあまり利用しません。魚や甲殻類はクールブイヨンでポッシェして風味をつけることが多いです。温度が高すぎると、パサついたり、固くなったり、魚は形が崩れたりするので、液体はグラグラと沸騰させずに表面がわずかに泡立つ程度の温度を保つようにする。

冷たい液体に材料を浸し、液体ごとゆっくり加熱する調理方法もポッシェです。この調理法の場合、加熱中に液体に材料の旨みや風味が流れ出ますが、材料を長く加熱したり、液体に浸したまま冷ますと、液体についた風味を材料に移すことができます。材料の風味加わった液体はソースやブイヨンに利用されることが多いです。スネやバラなどのコラーゲンを多く含む食材の加熱調理に向いていますが、材料のアクを取り除いたり、塩漬け製品の塩抜きのための下ゆでにもこの方法を用いたりします。

少量の液体でポッシェする場合、少量の冷たい液体に材料をつけ、液体ごとオーブンで加熱する調理法です。材料の約半分の液体を注ぎ、直火で一旦沸騰させてからオーブンで火を入れます。オーブンに入れたら紙ぶたなどで蓋をして乾燥を防ぎます。

調理後の液体は基本的にソースに利用します。液体につかった部分から素材の旨みや風味が流れ出しますが、液体の量が少ないのでより強く風味を感じることができます。

蒸す

液体を沸騰させ、発生する蒸気で材料に火を入れる方法が蒸すです。フランス語ではキュイール・ア・ラ・ヴァプール(cuire à la vapeur)です。主にスチームコンベクションを用いることが多いですが、蒸し器を使うこともあります。材料の形が崩れにくく、風味や栄養も失われにくいですが、アクや臭みもダイレクトに伝わってしまうので新鮮な材料を使う調理に向いています。

焼き色を付けてから液体で火を通す

材料の表面に油脂で焼き色をつけてから、風味のついた冷たい液体に入れて液体ごと長時間加熱する調理方法です。冷たい液体からポッシェすると用途は似ていて、固い肉を長時間の加熱で柔らかく仕上げる目的で使われます。

液体についた風味が材料に加わり、液体には材料の風味が溶け出し、さらにメイラード反応による色や香ばしさが加わり煮汁は複雑な風味になります。この煮汁も主にソースに使われます。

ブレゼ、蒸し煮する

材料の表面に油脂で焼き色をつけ、炒めた香味野菜とともに鍋に入れて材料がある程度浸かる量の液体を加え、蓋をして加熱する調理がブレゼです。液体に使った部分は熱しられた液体によって、液体から出ている部分は鍋の中の蒸気によって加熱されます。

固い塊り肉はブレジエールなど密閉できる鍋を用いて肉がほぐれるまで多めの液体で長時間加熱します。下処理として、必要に応じて脂肪の少ない肉には豚の背脂をさして脂肪を補ったり、ワインや酢、油、香味野菜などを混ぜ合わせた液体につけたりします。

調理後の液体は肉からでたコラーゲンがゼラチン化していることが多く、煮詰めると艶のあるソースになります。本来は固い肉を柔らかくする調理法ですが、柔らかい肉質の調理の場合液体を少なめにして短時間で火を入れることも可能です。仔牛の胸腺、脂肪の少ない家禽などはこの方法を用いて調理します。

ラグー、煮込み

適度な大きさに切った材料の表面を油脂で焼き、炒めた香味野菜を加えて、ひたひたに浸かる量の液体をそそぎ、蓋をして加熱する調理法をラグーといいます。小麦粉をつけた液体で煮込むのが特徴で、その煮汁でソースを作って一緒に提供します。

ラグーは煮汁に濃度がついているので直火で加熱すると焦げやすいので、オーブンで加熱すると焦げにくいので仕込みは大変ですが、営業中には非常に手間のかからない料理になっています。

ラグーは仕上がりの色によって2種類に分けられます。茶色いラグーは材料の表面に焼き色をつけてから液体で火を通し、ソースを茶色く仕上げるものでソース煮とも呼ばれたりします。白いラグーはフリカッセとも呼び肉の表面にあまり焼き色をつけないように焼き固め、ソースも白く仕上げます。

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