フランス料理フォンとジュの違いを徹底解説!フォンとは?美味しく作るポイントは?

フォンとは? founds

フォンとは、つまりだし汁の総称のことです。エスコフィエは現代フランス料理のバイブルと言われている「ル・ギッド・キュリネール」le guide Culinaireの中でフォンについて次のように述べています。

「フォンは料理の基本であり、かつ何よりも必要な要素であり、それがなくては正式な料理に一切取りかかることのできないものである。それゆえ、その重要性は高く、良いものを作ろうとする料理人がもっとも念を入れるところでもある」

つまり、全ての料理の基本であって、美味しいものを作る上で不可欠な要素だとも言えます。料理に携わる人々にはそれが十分に認識できるはずです。

この基本中の基本というべきフォンの作り方は今も昔も変わりませんが、時代の流れによって多少の変化も見られるようになって来ました。

そのもっとも良い例が、少量でしかもあまり時間を書けずに作り上げるフォンがジュと呼ばれるようになったことではないでしょうか?

ソースや煮込み料理のベースに用いられる出し汁。仔牛の骨や肉、鶏ガラ、魚のアラなどと香味野菜を水から煮出してとります。

材料を生のまま、もしくは軽く下ゆでをしてから煮出していく「白いフォン」と、材料をオーブンやフライパンなどで焼いて色付けをしてから煮出す「茶色いフォン」の2種類に分けられます。

白いフォンは白いソースや白い煮込み料理などの色をつけたくない料理に、茶色いフォンは茶色いソースや茶色く仕上げる煮込みに使用します。

主材料の持ち味を生かすために、基本的に主素材と同じ材料でフォンをとります。

牛肉や仔牛肉に使うソースならフォン・ド・ヴォーを使いますし、鶏料理に使うのはフォン・ド・ヴォライユと言われる鶏ガラからとった出し汁ふが使われます。

魚に使う出し汁はフュメ・ド・ポワソンと言います。

美味しいフォンを作る5つのポイント

フォンを作るのにはさほどテクニックはいらない。要は、如何に各ポイントを注意深く執り行っているかに尽きます。中でも材料の吟味、調達はもっとも留意すべき事柄です。

さほどのテクニックがいらない割にフランス料理の世界ではフォンやジュは料理長のような上の人間が仕切ることが多いです。

それはやはり、テクニックはその場で教えてもらうことで足りるが、材料の吟味や調達は一朝一夕では、生産者さんとの信頼関係が築けないからなのでしょう。

では良いフォンを作る為の5つのポイントを挙げてみたいと思います。

 

  • 材料が新鮮である
  • 適正な量である
  • しっかりと時間をかける
  • アクを丁寧に取り除く
  • ミジョテで煮出す

 

以上の5つです。

では詳しくご紹介します!

材料が新鮮である

いうまでもなく、料理は素材そのものが出来上がりに反映します。水から煮出すフォンは素材の風味がダイレクトに伝わるので鮮度の良さが美味しいフォンを作る為に必要な要素になってきます

適正な量である

多くのフォンや煮込み料理などに共通るることですが、ある程度以上の量がないとその相乗効果による味や風味などが望めません。

最低でも3Lくらいの出来上がりの量で作ることをお勧めします

所定の時間を十分にかけます

特に子牛のくるぶしの骨などは、短時間ではその成分を十分に引き出すことはできません。

また、魚介などは長い時間かけすぎると雑味が出て来て生臭くなってしまうこともあります。ですので短すぎも、長すぎも美味しいフォンを作るにはよくないのです。

アクや脂を丁寧に取り除く

フォンが完全に沸騰するまで出てくるアクは、つきっきりで丁寧に取り除くのはもちろん、沸騰後に出てくるアクも丁寧に取り除くことが重要です。

アクを取り除かないと雑味のあるフォンになってしまいます。

ミジョテの状態で煮出す

沸騰後は火力を一定に保ち、フォンの表面がミジョテの状態(液体の表面がポコポコと沸騰している状態)を保つことが濁りのない綺麗なフォンをつくるのに重要です。

以上の5つのポイントをおさえておけば風味豊かな、雑味のない、透き通ったフォンを作ることが可能です。

フォン作りは長時間に及ぶので、煮詰めている間に量が減って来ますそうなると同一の火力でも沸騰の度合いが強まって来るので、火力を落としたり、熱湯を足すなどして調整が必要になります。

フォンの種類

フォン・ド・ヴォー  fond de veau

仔牛の骨やくず肉を使ったフォンです。白いフォンも茶色いフォンもありますが、一般的にフォン・ド・ヴォーといえば茶色い方を指します。

フランス料理もそれぞれの時代背景に沿って、嗜好の変遷および調理技術の革新というものが起きていますが、その中でフォンドヴォーこそその最たるものと言えるのではないでしょうか?

フォンドヴォーは現代の食事情から必然的にその価値が高められてきたフォンであり、今や「現代フランス料理」において肉料理の全般的なソースのベースとして、または煮込みなどにも利用される重要なフォンとなっています。

かつて主流であったソース・エスパニョルやドゥミ・グラスに取って代わって現代フランス料理において中心的な役割をになっています。

フォンドヴォーをさらに濃縮させソースとしての要素を持たせたフォンドヴォーリエは以前のソースエスパニョルまたはドゥミグラスと比較して、徹底的に異なる部分があります。

フォンドヴォーリエはその利用目的によっていかようにも対応できる柔軟性があり、軽いながらにも非常にコクのあるバラエティに富んだ各種ソースへと派生させていけますが、

一方のソースエスパニョルとドゥミグラスはそれ自体がすでに完成された画一的なソースであるが故に、多様性に乏しく、使用目的も限定されがちです。

加えて味覚的にも多少の重さがあり、ここにも今日使用されなくなった要因の一つがあります。フォンドヴォーは基本的に子牛の素材だけで作ります。

しかし、日本では材料となる子牛が極端に少なく、必要な骨、スネ肉、スジにいたるまでほとんどを外国産の輸入に頼らざるを得ません。

ですので、子牛の骨やスジ以外に牛や豚の骨などを加えるなどの工夫をしている店が多くあります。

作り方は仔牛の骨やくず肉と香味野菜をフライパンやオーブンなどでよく焼き、色付けて水から煮出して長時間かけてゆっくりと火にかけます。

味が強く、色も濃い、茶色い煮込み料理のベースにしたり、煮詰めて茶色いソースのベースにしたりします。

マデラソースやポルトソース、エスパニョールソースやドミグラスソースもフォン・ド・ヴォーをベースに作られています。

フォン・ド・ヴォライユ fond de volaille

鶏のフォンです。こちらも白いフォンと茶色いフォンがありますが一般的にフォン・ド・ヴォライユといえば白いフォンのことです。

鶏のガラ、首づる、手羽先などと香味野菜を生のまま、水から長時間煮出して作ります。また、人によってはもも肉や胸肉もそのまま入れてフォンを取る人もいます。

もも肉や胸肉を加えるとより味わい深いフォンになります。風味に癖が少ないので鶏料理に限らずポタージュや野菜料理ににも使われます。

 

フュメ・ド・ポワソン fumet de poisson

魚のだし汁です。魚のアラと香味野菜を色づかないように炒め、水で短時間で煮出して取る白いフォンです。

魚介類の煮込みや魚介料理のソースに使います。用途によってアルコールを加えたり、魚のアラと香味野菜を炒めずに生のまま水から煮出す場合もあります。

魚のアラはどんな魚介にも合うように癖のない白身魚(鯛やヒラメなど)のアラをつかうのが一般的です。しかし最近では鯖やぶりなど青魚や赤身の魚のアラを使ってあえて癖のあるフォンをとってソースにする場合もあります。

このフュメ・ド・ポワソンは1980念代の初期ぐらいまでは魚料理に欠かすことのできないフォンでしたが、今日では利用頻度が少なくなってきてます。

なぜなら、フランス調理の嗜好の変化に伴い、必然的に「味の表現」が変わって来たからです。

今までのフランス料理ではフュメ・ド・ポワソンで火を通し、それを煮詰め、ヴルテやクリームやバターをふんだんに利用して仕上げた濃厚のソースが主流でした。

しかし、今はオリーブオイルをはじめとする多種多様な油、酢、香草やその他の風味づけによって、素材としての魚の持ち味を最大限に生かす方法が主流となっています。

その背景には健康食思考から動物性脂肪や生クリーム、バターの摂取量が減り、フランス料理でもプロヴァンス風や地中海式の料理が注目を浴びるようになってきたことがあります。

 

フォン・ド・ジビエ fond de jibier

ジビエを使ったフォンです。野鳥や野うさぎ、鹿やイノシシなどの骨やくず肉を使って香味野菜といっしょに炒めて色付けて水から長時間かけて煮出す茶色いフォンです。

ジビエは狩猟期間や捕獲量が限られているため、数種類のジビエのガラや骨を集めて汎用性の高いフォンを作ることが多いです。当然ジビエを使った料理に使われます。

 

野菜のブイヨン bouillon de légumes

野菜だけを使ってとったフォンです。野菜の甘味と香りを生かした出し汁です。野菜だけでとっているので脂肪分の含まない軽やかな料理を作るときに使われます。

クール・ブイヨンと呼ばれることもあります。クール・ブイヨンというと魚介類をポシェするときに、その魚介の旨味を逃さないために、前もって用意された煮汁のことが多いです。

主に、水、ワイン、酢、野菜、パセリの茎、タイム、ローリエ、粒胡椒、塩などが使われています。

クール・ブイヨンで魚をポシェする場合、通常は冷たい中に入れ、ゆっくりと熱を加えて静かに火を通していかねければなりません。

煮汁は、煮立たせないように火加減に注意しながら火を通して行きます。急激ん温度が上がると、皮や身が裂けてしまうことがあるからです。

ただし、例外として生きている川ますなどの表面をブルー色にポシェするポワソン・オ・ブルーという調理法の場合や、切り身の魚などはいきなり熱いクール・ブイヨンに入れます。

グラス glace

フォンを弱火にかけ、アクをとりながら長時間煮詰めた液体です。風味が凝縮されていて濃度と艶があり、冷ますとフォンに含まれるゼラチン質のおかげで固まります。料理の仕上げなどに少量加えてコクと旨味を補完します。

フォン・ド・ヴォーを煮詰めて作ったグラス・ド・ビアンドがもっとも有名でよく使われます。

フォンの材料と作り方

主材料で使われるのが仔牛の骨です。いわゆるフォン・ド・ヴォーです。骨や脂肪分の少ないくず肉、鶏のガラや首づる、手羽先、魚のアラなども使い、香味野菜と言われる玉ねぎ、人参、セロリ、ポワローなどと一緒に煮出して行きます。

他に風味づけとして、ブーケ・ガルニやニンニク、粒胡椒なども一緒に煮出したりします。茶色いフォンにはトマト、フュメ・ド・ポワソンにはシャンピニオンやエシャロットなども加えます。材料の大きさや切り方はフォンの味や煮出す時間を逆算して決めます。

良いフォンというの味がよく、出し汁が澄んでいることが良いフォンです。良いフォンに仕上げるコツは、材料は新鮮なものを使い、煮出す時はボコボコと沸騰させずに、弱火でゆっくりと時間をかけて煮出すことです。

また、濁る原因であるアクや脂はこまめに取り除くことも大事です。

出来上がったフォンは栄養分が多く含まれているので、最近の増殖を防ぐために氷水で急冷して3度以下の冷蔵庫で保存するのが望ましいです。

 

ジュとは? jus

ジュはフランス語でジュースという意味です。現代フレンチで「仔牛のジュ」や「仔羊のジュ」と呼ぶときは、その動物の骨やガラ、くず肉などを水やフォンを使って短時間で煮出してとる出し汁をさすことが多いです。

 料理に使う主素材と同じ材料を用いて作りますが、フォンのようにあらかじめ大量に仕込むことはせず、必要に応じてその都度作ることが多いです。ジュはフォンに比べて主材料の風味が強く、調味してソースとしてもちいることが多いです。

ブイヨンとは? bouillon

肉や野菜を水で煮出して取る出し汁です。「コンソメ・サンプル」(consomé simple)とも呼ばれることもあります。

本来は肉や野菜をたっぷりの水で煮た料理の煮汁のことを指します。コンソメをはじめとする、ポタージュや肉や野菜を加熱するときに使ったりします。

現代フレンチのフォン(founds)とジュ(jus)

フランス料理の特徴を一言であげるならソースの多様性です。

しかし、

19世紀までのフランス料理では、肉料理には茶色いフォンとソースエスパニョールが使われ、主材料に関わらず似たような味わいになっていました。

しかし、20世紀のはじめにそれに異をを唱えたのがエスコフィエでした。エスコフィエは食材の風味を尊重するためにソースのベースには主素材と同じ材料からとったフォンを使うことを提唱し、仔牛、鶏、魚、ジビエなどのフォンをベースにしたソースが生まれました。

次の大きな変化はヌーベル・キュジーヌの時代でした。ヌーベル・キュジーヌ以降はルーを使ったソースはほとんどなくなり、代わりにフォンを煮詰めておいて最後にバターを加えてモンテすることによってソースをつなぐようになりました。

21世紀に入ると、フォンより短時間で用意できて風味の強いジュをそんままソースとして使うこと多くなりました。

最近では野菜のピューレをそのままソースがわりにされることもあります。フォンをベースとした伝統的なソースは今や姿を消しつつあると言っても過言ではないです。

こうした変化の背景には労働時間の問題や、人件費、衛生面の問題と様々な要因があります。その結果レストランで使うフォンの種類は年々減少しています。

それに伴いメニューをお任せ一本に絞るなどの変化が見られます。

最近のレストランでは料理に合わせた数種類のジュをその場でとり、フォンは汎用性の高いものを一つを作り、それで代用することが多いです。

また、フランス料理の枠を超えて昆布やかつお、椎茸など料理にあった出し汁を作る人も増えてきています。

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